会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

企業会計審議会監査部会(第48回)の開催について(9月28日更新)(金融庁)

企業会計審議会監査部会(第48回)の開催について

9月29日(10時~)に予定されている企業会計審議会監査部会は、金融庁公式YouTubeチャンネルで傍聴できるそうです。

「今回のYouTube配信は試行的なものであり、今後実施する会議の配信は都度検討してまいります。」

会議自体は、リモートではなく、合同庁舎の会議室で開催するようです。

(補足:ライブ配信をちらっとみてみました。リモートで開催したようです(部会長と事務局は大きな会議室)。50人ほどが閲覧していました。)

会議資料も公開されています。

企業会計審議会監査部会(第48回) 議事次第

資料を見ると、3月に公表された監査基準・中間監査基準の改訂案を一部修正し、内容を固めていくようです。

最近の監査基準改訂では、公開草案公表後は監査部会を開催せず(したがってパブリックコメントの検討も公開では行わず)、いきなり総会で承認でしたが、今回は珍しく監査部会を開いて、コメント対応などを議論するようです。

公開草案へのコメントを見ると、改訂箇所に関するもののほか、監査基準の作り方に関するそもそも論も含まれています。

「投資のグローバル化が進む中では、金融商品取引法に基づく監査は国際監査基準(ISA)に完全かつ適時に準拠したものであることが望ましいが、ISA の改正が度重なる中、我が国独自の監査基準を維持・更新していく手間と非効率性は馬鹿にならないものであり、ISA の改正が適時に取り入れられず、遅れる傾向にある。

日本公認会計士協会が、国際監査基準(ISA)の直訳に近い形の監査基準委員会報告書を整備しているので、企業会計審議会はこれをエンドースすることとし、今後は企業会計審議会の監査基準を廃止することが適切ではないかと考える。 」

これに対する金融庁の考え方。

「監査基準の策定に当たっては、必ずしも国際監査基準をそのまま受け入れているわけではなく、国際的な動向も踏まえつつ、企業会計審議会において、実務者である公認会計士を始め、財務諸表の作成者や利用者、学界等の関係者間で審議を行い、我が国の法令制度も踏まえて決定されているものです。

海外においても同様に、国際監査基準を参考にしつつ各国の監査基準を設定している国が多く見られます。」

協会の監査基準委員会報告書を、もっと開かれた審議により策定するようにすれば、企業会計審議会版監査基準は廃止できるのでは。

同じコメント者のようですが、監査基準の適用範囲に関する意見もあります。

「この監査基準から派生して、公監査の分野でも、各省庁が独自の監査基準を乱立しており、国際監査基準(ISA)が改正されるたび、これらを含めた我が国の複数の監査基準へのカスケーディングが行われるため、監査基準の改正よりもさらに一歩ずつ改革の遅れが生じることになる。

このように、我が国独自の複数の監査基準を持つことで、監査改革の適時性が損なわれ、社会全体では基準の改正のために多くのリソースが重複して投じられ、非効率が起きている。企業会計審議会が対象とする「企業」とは何であるのか、この監査基準はどこまでの範囲の企業体に適用すべきものであるのかも含め、ご検討いただきたい。幅広い組織体に共通して適用すべき単一の監査基準を確立した上で、特別な種類の組織体の固有の実務部分には必要最低限の適用指針を付加していく方法によるべきではないかと考える。 」

これに対する金融庁の考え方は...

「現状においても、監査基準は幅広い組織体に共通して適用すべき基準であり、公的機関を始めとする各組織体の実情に応じて監査に関する基準が策定されているものと認識しております。」

他省庁のやることに口を挟みたくないのでしょう。
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