外部調査委員会による調査の経緯及び進捗に関するお知らせ(PDFファイル)
アウトソーシング(東証プライム)のプレスリリース(2023年8月10日)。
アウトソーシングテクノロジーという連結子会社における雇用調整助成金の不適切な支給申請手続の問題(事案①)と、募集媒体会社等との取引プロセスの一部に疑義がある問題(事案②)に関する調査状況を、開示するものです。
「本件事案①につきましては、当社の初動調査において、雇用調整助成金の担当者等に申請手続きや書類保管の状況についてヒアリングを行ったうえで、書面で保管された申請書類の控えを確認しました。そうしたところ、自宅で行う学習形態等の教育訓練を実施した場合に提出が必要となる研修報告書等が極めて類似する筆跡であり、雛形となる研修報告書等をコピーして氏名欄・日付欄を修正しているものなど不自然な研修報告書等が散見されました。そして、担当者等に対するヒアリングによれば、2020 年2月~6月の期間分の雇用調整助成金に関して、それらの必要書類の回収が不調に終わったなどの理由から、複数の申請担当者が一部書類の代理作成を行っていた事実が確認されました。具体的には、2023 年7月20 日時点において、2020 年2月~6月の期間分の申請のうち421 名分について、代理作成が行われていたことが判明しております。
また、本件事案②につきましては、OST の初動調査において、特に取引プロセスが疑わしい取引先を選定し、取引に関する注文書、契約書その他の帳票書類の確認及び担当者からのヒアリング等により、取引の概要、取引に至る経緯、委託業務の実態の有無等を確認し、取引上の問題点の有無の検証を行いました。その結果、取引先3社について、OST 社内の承認プロセスに必要な契約書が作成されていないことなどから、役務提供の範囲が不明確であり、取引金額の妥当性等が検証できないといった事象が確認されております。」
「外部専門家による、より専門的かつ透明性の高い深度ある調査が必要であると判断し」、現在、外部調査委員会による調査が行われています。
「外部調査委員会においては、本件事案の解明のために必要な調査として、関係者ヒアリング、データ・資料の分析、デジタルフォレンジック、アンケート調査、財務諸表への影響金額の確定作業及び調査報告書の作成といった業務を行うことが想定されており、現時点において、調査報告書の提出が2023 年9月末頃となる見込みである旨、伝達されております。」
2023年12月期第2四半期報告書については、現時点の法定提出期限である2023年8月14日までに会計監査人による四半期レビュー手続きを完了させることができず、提出できない見込みとのことです。
影響額が示されていないので、少し不安になります。
8月初めに調査委員会を設置して、報告書の提出が9月末というのは、少し遅いような気がしますが、それだけ調べるべき範囲が広いのかもしれません。助成金申請に不正があった場合には、その返還額も確定させないといけないでしょうから、慎重に調べているのでしょうか。
珍しい例かもしれませんが、会社からは、この問題に関するFAQも出ています。わかりやすくまとまっています。