「おひさま進歩エネルギー」という会社(飯田市)の社長(68歳)が、市民から集めていた出資金の一部を私的に使っていたとして引責辞任していたという記事。
「同社によると、今年5月に資金の募集を担う関連会社「おひさまエネルギーファンド」に金融庁の検査が入り、社内の内部調査で不自然な資金の流れが発覚した。×氏は、市民らの出資金を管理している資産保有会社(計11社)の金融機関口座から、自身の個人口座に資金の一部を移していたという。
不自然な資金の流れは複数回確認されているが、各資産保有会社の決算期末までにそれぞれ穴埋めされていたという。今回の内部調査時点で、数百万円が資産保有会社の口座に戻っていなかったが、6月末までに×氏から全額返済された。資金を移していた期間や回数などの全容は調査中としている。」
出資者は全国の約1700人、出資額は累計約20億円とのことです。
実害が出ないうちに、金融庁の検査で食い止められたということなのでしょうか。
新体制移行と今後の事業展開について(おひさまエネルギーファンド)
信濃毎日の記事でもふれていますが、2014年に関東財務局による処分を受けています。処分を受けても、改善されていなかったのでしょう。
↓
おひさまエネルギーファンド株式会社に対する行政処分について(金融庁)
「(1) 分別管理が確保されていないにもかかわらずファンド持分の取得勧誘を行っている状況
当社が本件ファンド持分の取得勧誘の際に使用している匿名組合契約書等の内容を検証したところ、営業者の固有財産とファンド資金との分別管理を行うことが確保されておらず、また、ファンド持分に関し出資された金銭であることが名義により明らかとなる預貯金口座が開設されていない状況が認められた。
そして、実際の分別管理の状況を検証したところ、各出資者からの出資金は、各営業者名義の預貯金口座に対して振り込まれており、現に、各営業者の固有財産とファンド資金の分別管理が確保されていない状況が認められた。
更に、本件ファンドのうち、当社又は当社と実質的に一体と認められる関係会社が営業者を務めるファンドは、契約締結前交付書面等により、ファンド立上げ直後の事業利益が発生していない計算期間等においては現金分配が行えないこととされているにもかかわらず、原社長は業務多忙で個別のファンド収益の算出が困難であるとして、当初の計画として掲げた目標に概ね沿った金額の現金分配を行っていた。
このように、事業利益が発生しておらず、契約上、現金分配を行うことができない事業状況であったにもかかわらず、目標に沿った現金分配を行ったことに伴い、一部の本件ファンド間で資金の貸借が行われてファンドからの現金分配に充当されるなど、本件ファンドの出資金の管理には不適切な状況が認められた。
以上のとおり、当社は、本件ファンドについて分別管理が確保されていない状況にあり、また、当該状況を当然に知りうる立場にあったにもかかわらず、当該状況が発生した後においても、ファンド資金に係る管理態勢を見直すことなく、新たなファンド持分の取得勧誘を継続していた。」
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