会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「奇妙な異端審問」と米紙が批判 ゴーン容疑者処遇で(共同より)

「奇妙な異端審問」と米紙が批判 ゴーン容疑者処遇で

米紙ウォールストリート・ジャーナルが、日産ゴーン事件の取り調べなどを「奇妙な異端審問」と批判する社説を掲載したという記事。

「社説は「共産主義の中国での出来事か? いや、資本主義の日本だ」と皮肉り、メディアが相次いで報じている容疑者の資金流用疑惑は今後立証される可能性があるとする一方で、逮捕容疑については「疑念を持たざるを得ない」と指摘した。」

日本は前近代的な司法制度の国とみられているようです(中国と同じ?)。また、有報の虚偽記載という逮捕容疑は疑問視しているようです。

ゴーン前会長が国籍持つレバノン外相 逮捕に懸念表明(NHK)

「レバノン外務省の発表によりますとバシル外相は「ゴーン氏は最も成功したレバノン人の1人であり、捜査に強い関心を持っている」と述べ、ゴーン前会長の逮捕にはいくつもの疑問符がつくとして懸念を示したうえで、山口大使に対し、具体的な説明を求めたということです。」

中国で日本人が理由もわからずに拘束されたり、韓国で日本の新聞記者が出国禁止になったりした際に、不愉快に感じたのと同じでしょう。著名人であるため、なおさらです。

特捜部を待つゴーンの徹底抗戦“人質司法”には絶対屈しない(日刊ゲンダイ)

「「司法先進国のフランスは、容疑者の人権が手厚く保護されていて、例えば、取り調べの全過程は録画・録音され、弁護人の立ち会いも必須です。森友事件で逮捕・起訴され、10カ月間も接見禁止で長期勾留された籠池容疑者夫妻のように、自白するまで帰さない日本の“人質司法”なんて論外でしょう。そんな事態になれば、フランス政府、マクロン大統領だって黙っていません」(全国紙司法担当記者)」

ゴーン容疑者逮捕は「宗教裁判」=日産の不意打ち、汚点にも-米紙社説(時事)

「最大20日間の勾留が認められ、再逮捕もできる日本の司法制度は、暴力団の取り調べならいざ知らず、犯罪歴のない国際企業の幹部には適切ではないと論評。「共産主義の中国なのか」と疑問を呈した。

また、有価証券報告書に巨額報酬を過少記載した容疑について、日産自動車が長年にわたって把握していなかったとは不自然だと指摘。」

(補足)

このウォールストリート・ジャーナル記事の日本語版が、ダイヤモンドオンラインに掲載されています。

ゴーン氏取り調べの不可解さ
逮捕劇と日産会長解任がはらむ危険
(DOL)

「日産を倒産の危機から救ったとして、ゴーン前会長が日本で絶賛を浴びたのはそれほど昔のことではない。だが今や、同容疑者は期限を定めずに拘置所に入れられ、家族との接触も、自分の名誉を擁護することも許されていない。自らの運命を知ることなく社用ジェット機で到着し、即座に逮捕された。日本人弁護士と2回ほど話し、レバノンとフランスの外交官に面会することができただけだ。

日本の法律では逮捕後の容疑者を48時間まで身柄拘束できるが、裁判所が認めると10日間は起訴手続きなしに勾留でき、この期間はさらに10日間の更新ができる。その後、容疑を切り替えて再逮捕することも可能だ。だがそのような処遇は、不正行為や私的金融取引を行った前歴がない国際的なCEOよりも、ヤクザにこそふさわしい。日本の検察当局は、不正会計問題に揺れた東芝やオリンパスの容疑者に対してこのような扱いをしなかったはずだ。」

「日本は常に閉鎖的な企業文化を守ってきた。ゴーン前会長はこの「竹のカーテン」を外国人経営者として破った珍しい存在だった。不正会計問題の発覚以降、安倍晋三首相はコーポレートガバナンスの改革を推進してきた。だが同時に、日本のナショナリズムも後押ししてきた。もっと透明性を高め、容疑をはっきり説明し、ゴーン、ケリー両容疑者に自らを擁護する機会を与えることがなければ、日産による奇襲攻撃は、日本経済界の汚点として残ることだろう。」
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