1970年代後半から1980年代にかけて、ベトナムは20年間にわたった戦争の悪影響により、経済が泥沼に嵌まり込みました。国を復興するために、ベトナム政府は1986年に刷新政策(ドイモイ政策)の実施を正式に発表しました。ベトナムの刷新は、経済及び政治の分野において徐々に実施されており、ベトナムを「社会主義志向の市場経済」へ導いています。30年以上にわたった「刷新」を経て、ベトナムは世界で最も貧しい国の1つから中所得国に転向し、且つ世界の注目を集めるほど大きな成果を挙げました。
ベトナムは、アジア乃至世界における最も成長が急激な、最も活力のある経済体の1つであり、アジアにおいて外資直接投資導入が最も多い国の1つでもあります。世界経済フォーラム(WEF)の最新発表により、ベトナムは141の経済体に67位となり、「世界競争力レポート2019(The Global Competitiveness Report 2019)」における順位を10位上げ、世界競争力ランキング中に競争力向上が最も速い国になりました。
ベトナムは素晴らしい自然景観、優れたビジネス環境、膨大な人材及び豊富な天然資源があります。その上、ベトナム政府が最近、インフラ投資に更に力を注ぎ、多くの特別優遇政策を実施したおかげで、ベトナムは最も外国投資者の優先的な投資先になりました。
1.絶好の位置
ベトナムはインドシナ半島東部に位置し、北が中国の広西省及び雲南省を接し、中国との陸続きの国境線の長さが1,347kmです。ベトナムの戦略的な位置はベトナムが世界最大の中国市場に直接参入できることを促進します。西はラオス、カンボジアと国境を接し、東と南は南シナ海に面します。ベトナムは海岸線が非常に抜群であり、海岸線の総延長が3,260kmであり、南北1,650kmに広がり、国の総陸地面積が329,556km²です。
ベトナムの最も重要な都市はハノイ及びホーチミン市です。ベトナム北部の紅河デルタに位置するハノイは、ベトナムの首都であり、全国の政治・文化の中心地、同国面積最大の都市及び人口が2番目多い都市でもあります。首都ハノイは貿易及び投資活動に対して便利な条件を提供しています。ベトナム南部に位置するホーチミン市は、同国最大の都市であり、最大の人口を持ち、ベトナムの経済・貿易の中心地であり、同国最大の港湾都市及び最も重要な交通拠点です。
2.持続的で急速な経済成長
昨年、ベトナムの国内総生産(以下「GDP」という)は7.02%を増加しました。これはベトナムの経済成長率が2年連続7%(2018年は7.08%)を超え、且つ2019年の6.6~6.8%の成長目標を遥かに上回りました。
新型コロナウイルス感染症(以下「COVID-19」という)の流行の悪影響のため、東南アジアにおける大部分の経済体は世界経済危機に陥りました。ベトナムは有効なCOVID-19の感染拡大防止策を取り、その他の東南アジア諸国と比べ、影響の最も少ない国及び経済成長が最も速い国と評価されています。COVID-19流行期において、ベトナムはデジタル変革にも飛躍的進歩を遂げたおかげで、そのデジタル経済の進化の最適化及びアップグレードを更に促進しました。
2020年4月3日にアジア開発銀行(ADB)が発表した「アジア経済見通し2020年版」により、COVID-19の流行の影響を受けて、2020年のベトナムの経済成長率は4.8%に大幅低下します。
なお、COVID-19の流行が終わる場合、ベトナムにおける各経済活動が正常に行うことができ、2021年にベトナムの経済成長率が6.8%に回復し、且つ安定で向上的な発展傾向を維持し続けると予想されます。
3.急速な経済のグローバル化
ベトナムは、全方位、多様化、「世界各国と友達になる」の外交政策に従い、近隣諸国との友好関係を維持し、ASEAN諸国との友好協力を積極的に促進します。また、ベトナムは中国、米国、ロシア、日本、インド、EU加盟各国などの大国及び世界銀行、アジア開発銀行などの国際機関との関係強化に焦点を当て、且つ積極的に国際問題に関する事務に参加しています。
ベトナムは一方でアジア太平洋経済協力(APEC)及び東南アジア諸国連合(ASEAN)に加盟し、他方で世界貿易機関(WTO)にも加盟しています。同時に、ベトナムは若干の新たな自由貿易協定(特にEU‐ベトナム自由貿易協定(EVFTA)及び環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP))を締結し、商品の輸出入の市場問題を更に解決します。現在、以上の協定はベトナムの経済のグローバル化、ビジネス環境の改善及び外資直接投資の有効的な誘致を促進しています。
今まで、ベトナムは185国と外交関係を樹立し、220国・地域とビジネス往来を維持しており、対外に80以上の二重課税防止協定を正式に締結しました。
4.外資投資に良い法的環境を創造する
ベトナムの投資法は比較的にオープンで完全であり、外国投資者に比較的に全体的な基本の法的保護及びより有利な優遇政策を提供しています。ASEAN及び東アジア研究院の統計により、ベトナムの法体系及び管理体系はASEANにおいてタイ、シンガポール、マレーシアに次いで第4位となります。それは外資系企業が他国からベトナムへ移転する決定的な要因の1つでもあります。
1986年以来、ベトナムは刷新政策を堅持し、経済発展を重視し、国際への統合を加速してきました。特にWTO加盟後、ベトナムは外資系企業に内国民待遇を与え、国内の法律法規の改正に注力し、国際に沿うように努力を傾注しました。外国投資の誘致を高めるために、ベトナム国会は5回目の投資法改正を行い、2015年7月1日より正式に施行しました。「投資法」では主に国内外の投資家に対して会社の設立や運営、プロジェクトの投資、及びワンストップ行政承認制度の実施に関する新たな条例を制定しました。2017年1月1日にベトナム政府は20種の投資分野に対する制限を正式に撤廃し、国内市場を更に開放しました。
ビジネス環境を更に改善し、企業の急速な発展を促進するために、ベトナム国会は2020年6月17日に投資法の改正案を可決し、且つ2021年1月1日より施行します。新投資法の主な変更点は以下の通りです。
1. 商事仲裁、フランチャイズ、物流サービスなどの22の条件付き投資分野を削減する
2. 投資、経営活動に開放性、利便性、透明性、最も魅力のある環境を創造するために、個人、家族世帯の投資申請の承認に対する不必要な行政手続を廃止する
3. 特に建設や土地の分野において、投資に関する法律の重複問題を解決する。それは大規模プロジェクト投資・建設における企業が直面した最大の問題の1つである
4. 投資に関する承認の手続き及び権限を変更・補充する
5. バリューチェーン及び産業クラスターにおける物品の生産又はサービスに参加する
投資を誘致するために、近年、「投資法」が絶えず改善されており、投資環境が良い変化が表され、企業の成長が促進され、誘致した外国投資者の数の最高記録が出続けています。