2023.11.05
ロック大陸漫遊記
TOKYO FM
11月に入って1週目・・・。
「心に余裕がある方も、意外とギリギリだという方も、ちょっとした息抜きにしていただけたら幸いです」
今週の特集は、【DOLL 1985年12月号で漫遊記】です。
これまでも、「いろんな音楽雑誌を地図代わりに漫遊してきました。何度も取り上げてきた『ミュージック・ライフ』をはじめ、『ROCKIN’ON JAPAN』とか、最近では『音楽専科』とか」。
今回も、そんなロック専門誌を地図代わりに漫遊する回。
『DOLL』は、どちらかというと、「パンクロック、オルタナティブロックを専門に扱う音楽雑誌」で、1985年は、「ポジティブパンク、その後ゴスとか呼ばれるジャンルで盛り上がっていた時期」と。
セットリスト
01 楓(スピッツ)
02 New Church(The Lords of the New Church)
03 Romeo's Distress(Christian Death)
04 Nirvana(The Cult)
05 I Go Crazy(Flesh for Lulu)
06 Goo Goo Muck(The Cramps)
07 Just Like Honey(The Jesus & Mary Chain)
08 Victoria(Der Zibet)
漫遊前の1曲は、スピッツで「楓」(1998年、8thアルバム『フェイクファー』/1998年、19thシングル、「スピカ」と両A面)。
「スピッツにゴスな曲はないので」、普通に「秋っぽい曲」ということで、この曲だそうです。
(音源を聴いたのは久しぶりかも。ライブとは異なる、クールなボーカルと演奏も新鮮)
最初の曲は、The Lords of the New Churchの「New Church」(1982年、デビューシングル/1982年、1stアルバム『The Lords of the New Church』)。
『DOLL』12月号の表紙を飾っている。
インタビュー記事もしっかりあって、「・・・ネ」とか「・・・ヨ」のように話し言葉の語尾がすべてカタカナ。「80年代もこういう文体?残ってたのかね~」と、「全然関係ない話」からスタート。
The Lords of the New Churchは、「いろんな有名なパンクバンドのメンバーが集まって結成された、いわゆるポストパンクのバンド」。
ポストパンクとは、「アンチコマーシャリズムのパンクロックの流れの上にありつつも、さらにロックのフォーマットにこだわらない活動」。
ボーカルのスティーブさんは元DEAD BOYS、ギターのブライアンさんは元The Damned、ベースのデイブさんは元Sham 69、ドラムのニックさんは元バラクーダズ、というメンツ。
いかにも80年代の「ポップじゃないほうのロックサウンド」という感じか、と。
THE LORDS OF THE NEW CHURCH - Live - 1985
音楽雑誌『DOLL』について。
前身は、若手の音楽評論家たちが70年代に出していたミニコミ誌『ZOO』。
80年代に入って、森脇美貴夫氏が中心となって創刊される。雑誌名は、彼が当時飼っていたネコのドールちゃんが由来になっているとか。
ほかの音楽雑誌があまり取り上げなかった、パンク、ニューウェーブなど、アンダーグラウンドな、インディーなロックをメインに扱っていた。
2009年まで、30年近く続いていたことになる。
草野くんが高校生のころは、周囲の多くの友人たちが購読していたそうだ。
次は、Christian Deathの「Romeo's Distress」(1982年、デビューアルバム『Only Theatre of Pain』)。
この時代を代表するポジティブ・パンクのバンド。
「ポジティブ・パンク」をググってみると、「社会に反抗的なハードコアパンクなどに対して、より芸術的でメディアなどにも友好的なバンド」などと。
高校生の頃の草野くんにとっては、「顔を白塗りして、くら~い顔して演奏しているバンド」という印象で、何がポジティブなの?と思っていた。
この「ポジティブ・パンクは、ミュージシャンではなくメディア側が作った言葉であろう」。The Southern Death Cult、ALIEN SEX FIENDなどという「意味ありげな」名前のバンドが多かった印象、と。
その後は、ゴシックパンク、ゴシ、という呼び方のほうがしっくりくる。
このChristian Deathも「暗くて神経質そうなサウンド」だが、ロサンゼルス出身で、この号ではカラーページのグラビア、4ページのインタビューが掲載されている。
ルックスは、「美しくて、きれいなバンドです」。
Christian Death - Romeo's Distress (Live - 1984)
そして、次の曲は、The Cultの「Nirvana」(1985年、2ndアルバム『Love』)。
先ほど例にあげたThe Southern Death Cultというバンドが改名して、The Cultとなった。当時は「カルト」と名乗っていた。
もともとはポジティブ・パンクのバンドだったが、徐々にメンバーのハードロック趣味が出てきて、85年あたりはメタル寄りになっていた。インタビューでも、日本のバンド、LOUDNESSを称賛する発言があったり。「もともとメタルの人だったんでしょうね」。
プロデューサーが代わって、「ポジティブ・パンク時代の暗さがなくなった分、ポップで聴きやすいロック」です。「今聴いても、そんなに古くさく感じないかもしれない」。
ボーカルのイアン・アストベリーさんは「見た目もロックスターな感じで、のちにドアーズが再結成したときにボーカルになる」。
(聴きやすいというか、ちょっと懐かしさを感じるのはなぜなんだろう)
メッセージコーナー。
89年ごろ、音楽の専門学校に通って、PAやエンジニアの勉強をしていたリスナーさんから。
当時組んでいたバンドのライブ音源が見つかり、久しぶりに聴いてみたら、「そのときのSEの曲がわからない」ので、モヤモヤしているのだとか。
パンク好きの仲間が選んだであろう曲の説明をしたうえで(お見事!な説明)、「マサムネさん、この曲、わかりますか? 80年代の関西のパンク女子が選んだ曲です」。
ちなみに彼女たちがカバーしたのは、ハウンドドッグの初期の楽曲だったそうです。
パンクロックに詳しい番組スタッフと草野くんが「きっとこれだろう!」というのが、THE POGOの「I don’t know」。楽曲を流してくれました。
THE POGOは草野くん世代がよく聴いていてライブハウス界隈で人気のあったバンド。
「ご確認ください。これではないでしょうか」
(新しいスタイル?のメッセージコーナー! これも大いにあり!)
次は、Flesh for Luluの「I Go Crazy」(1987年、4thシングル)。
雑誌の頭のほうのグラビアページに掲載されている。
当時、このバンドの音源を丁寧にダビングしてくれていた友達がいたとか。
でも「当時ね、あんまりピンとこなかった」。でも今聴くと、「ポップで、これいいかも、とちょっと思っちゃいました」。
「ファッション的にはニューロマンティック風で、音楽的には今でいうエレクトロポップの要素も。普通にカッコいいかもしれない」と。
Flesh For Lulu - I Go Crazy
1985年ってどんな年?
「男女雇用機会均等法」の施行。
日航機の墜落事故もあった。
阪神タイガース38年ぶりの優勝!(今年は、あれ以来なのね)
トレンディードラマの先駆けとなった『金曜日の妻たち』から「金妻」というワードが流行。
オリコン年間1位は、チェッカーズの「ジュリアに傷心」で、ZO-3で歌ってくれる。「これね、オレ、カバーしたことあります、高校のころ」と言いながら、歌詞は「にゃにゃにゃ~♪」でしたけど・・・。
映画ランキングの1位は『ゴーストバスターズ』、「観に行きましたね~」。
高校三年生だった草野くんは当時、美大受験のための夜間の予備校に通っていた。美大を目指す友達は周囲にはいなかったので一人で通い始めたが、「その予備校で知り合った友人には、今でも付き合いのある人が多いです」。
次は、The Crampsの「Goo Goo Muck」(1981年、2ndアルバム『Psychedelic Jungle』/オリジナルは、1962年、Ronnie Cook & the Gayladsのヒット曲)。
このバンドも、雑誌の頭のほうのグラビアに掲載されていて、「サイコビリー(psychobilly)」という言葉を浸透させた。
サイコビリーは、「ロカビリーにゾンビなどのホラー要素をプラスしたジャンル」。
2009年に活動を停止させたが、今でも根強い人気のあるバンド。
The Cramps - Goo Goo Muck (live 1981 SF) Video in Stereo
(うわっ!)
こちらがオリジナルです。
Ronnie Cook & the Gaylads - ORIGINAL Goo Goo Muck (1962)
最後は、「ジザメリ」と呼ばれる、The Jesus & Mary Chainの「Just Like Honey」(1985年、4thシングル/1985年、デビューアルバム『Psychocandy』)。
このバンドは以前に、ココでかけたことがあって、「かなり好きなバンドでした」。
頭のカラーグラビアで掲載されている。
「くるくるヘアにくたびれた古着っぽい革ジャンにラバーソールのシューズを履いている・・・」というかっこいい画像!
「ノイジーなのにメロディアスという、シューゲイザーバンドの元祖みたいで、サウンドも革新的」だったが、草野くんはくたびれ感のあるロックファッションに魅せられたようです。「のちのグランジファッションにもつながるのかな」
でも彼らの真似をして、「オレがくたびれた革ジャンとか着ると、普通に小汚い学生にしかならなかったんですけどね」。
The Jesus and Mary Chain - Live on 'The Tube', 1985
特集の最後に。
この番組は、「おもに70年代の曲を流したい」ということで始めた番組なので、「今日はふだんなかなかオンエアされない曲ばかりだったかもしれない」が、「こうやって聴くと新たな発見があるし、高校生のころまわりの影響もあって聴いてたなと懐かしい気持ちになった」そうです。
パンク、ニューウェーブの雑誌というと、『FOOL’S MATE』も持っているので、「そっちでもまたやろうかな」。
(個人的には、自分があまり音楽を聴けなかった時代の楽曲を聴けるのはうれしい)
今日の「ちょっぴりタイムマシン」は、Der Zibetの「Victoria」(1991年、2nd、通算7thアルバム『思春期I-Upper Side-』)。
(イントロは、「漣」。イメージや風景画目の前に広がるイントロ。またまたライブで聴きたいなあ)
今日は、このコーナーも「『DOLL』絡みで」。
今回は洋楽に絞ったが、『DOLL』に掲載されている邦楽バンドも多く、この号でも、遠藤ミチロウさん、ラフィン・ノーズなどが大きく取り上げられている。Der Zibetも例外ではなく、またインタビュー記事も掲載されている。
今年の夏に、ボーカルのISSAYさんが亡くなっている。
Der Zibetは、日本のゴス、ビジュアル系の元祖のようなバンド。動画を見ると、「もう85年ごろには完成されていたんだなと思います」。
スピッツメンバーからは雲の上のような存在だが、クージーは対バンしたことがあるそうだ。
「Victoria」は、1985年よりもっとあとの曲だが、「最近はまってリピートしているので、セレクトしてみました」。
(知り合いのBUCK-TICKファンが、よくISSAYさんと櫻井さんのツインボーカルの話をしていたなあ)
来週の特集は、「Heavenなナンバーで漫遊記」です。
ロックの国、アメリカやイギリスはキリスト教徒が多いこともあってか、「heaven 天国」をうたった曲が結構ある。そこで来週は、「heaven」というワードがタイトルに入ったナンバーを草野くんのプレイリストからセレクトしてくれるそうです。
「草野さん、体がかたくなっちゃって、かゆいところに手が届きません」
『下剋上球児』で小日向文世さん演ずるおじいちゃんについて、昨日、ココで、「ぺらっぺら~な」とか書いてしまったけど(愛はあるんですけどね)、彼には彼の胸だけにおさめたもやもやした過去があったようで・・・。
ホント、失礼しました。
期待しています。
早朝、仕事前に『きのう何食べた』の録画を見た。
スーパーに行くと言って飛び出していったケンジの後ろ姿に、シロさんが「オレ、今幸せなのかも」と涙目で思うところ。朝からいいシーンを見てしまった。
それにしても、何度も「(ケンジは)全然タイプじゃないんだけどな」と言うシロさん。そうだったのね。
タイプだったとしても、ノブさんは・・・、やっぱり・・・ですよね。