「緒形拳 急死」の知らせは、予告もなく私の目に飛び込んできた。
どの作品を見ても、どのタイミングでも、私が憧れる姿でそこにいてくれた役者だった。あの年齢になっても、いつも「次は?」と楽しみにさせてくれる役者なんて、そうはいないだろう。
厳しそうで、それでも優しそうで…、そしてなによりチャーミング。
おととしの「白野」のひとり芝居で感じた不思議な幸福感を、今思い出している。あそこに流れた心地よい空気を、きっと大勢の人が覚えているにちがいない。
緒形さんはカーテンコールの拍手のやんだ絶妙なタイミングで、小道具のステッキを高くかかげて、たった一言「さよーなら~」と言ったのだ。空に消えていきそうな、小さな、でも客席の後ろまで聞こえる不思議な声で。
緒形さんの訃報を聞いたとき、私はあの「さよーなら~」を思い出していた。
映画「長い散歩」の生意気なレビューは、今読むとちょっと恥ずかしいけど、「白野」のレポは大切にしたい。
陳腐だけど、緒形さん、ありがとう。これしか言えない。
どの作品を見ても、どのタイミングでも、私が憧れる姿でそこにいてくれた役者だった。あの年齢になっても、いつも「次は?」と楽しみにさせてくれる役者なんて、そうはいないだろう。
厳しそうで、それでも優しそうで…、そしてなによりチャーミング。
おととしの「白野」のひとり芝居で感じた不思議な幸福感を、今思い出している。あそこに流れた心地よい空気を、きっと大勢の人が覚えているにちがいない。
緒形さんはカーテンコールの拍手のやんだ絶妙なタイミングで、小道具のステッキを高くかかげて、たった一言「さよーなら~」と言ったのだ。空に消えていきそうな、小さな、でも客席の後ろまで聞こえる不思議な声で。
緒形さんの訃報を聞いたとき、私はあの「さよーなら~」を思い出していた。
映画「長い散歩」の生意気なレビューは、今読むとちょっと恥ずかしいけど、「白野」のレポは大切にしたい。
陳腐だけど、緒形さん、ありがとう。これしか言えない。