隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

友達からもらった、1981年のFM情報誌で漫遊記

2025年03月04日 16時31分30秒 | スピッツ

2025.03.02
ロック大陸漫遊記
TOKYO FM



 「3月に入りました。運転中の方も、お仕事中の方、暇こいてる方、いろんなシチュエーションの方がいらっしゃると思いますが、ちょっとした息抜きにしていただけたら幸いです」。

 今日は、【FMレコパル1981年5月2週目号で漫遊記】
 古い雑誌を地図代わりに漫遊する、この番組お馴染みの企画。今までも『ミュージックライフ』『ROCKIN'ON JAPAN』などを取り上げてきたが、初めて「FMラジオの専門の情報誌」で漫遊記。
 ほかにも『FM Fan』『FM STATION』などがあったが、「オレらの世代ではFM情報誌はなじみ深い」。


 オンエアリスト
 01 ビギナー(スピッツ)
 02 春先小紅(矢野顕子)
 03 Rock with You(Michael Jackson)
 04 Crash and Burn(April Wine)
 05 Flowers of Romance(Public Image Ltd)
 06 I've Had It(Louise Goffin)
 07 Take A Little Rhythm(Ali Thomson)
 08 In For A Penny In For A Pound(Arabesque)
 09 Iʼm A Woman(八神純子)


 漫遊前の一曲は、スピッツで「ビギナー」(2010年、037thシングル、「シロクマ」と両Å面/2010年、13thアルバム『とげまる』)。
 そろそろ年度末で、新しい季節への準備をされている方も? 「(時期的に)ちょっと早いかもしれないけど、この曲を」。
 (いい曲だよなあ。いわゆる応援歌がちょっと苦手なこともある私のような人には、心に染み入る曲です。ボーカルの声もいい感じで力強い。イントロもアウトロも好きです)

 最初の曲は、矢野顕子さんの「大ヒットナンバー」、「春先小紅」(1981年、5thシングル/作詞:矢野顕子、作曲:糸井重里)。
 草野くんの中学時代、「すんごく流行ってましたね。テレビのCMでもガンガンに流れてましたし」。
 (カネボウ化粧品のCMですね)
 「一度聴くと、サビのメロディーが頭ん中グルグルするんですよ。学校の行き帰り,鼻歌で歌いながら」とZO-3で。「意外にも、ニルヴァーナの『Drain You』とコード進行が似てるんだね」と、これもZO-3。「カート(・コバーン)さん、矢野顕子ファンだったりしたのかな」
 『FMレコパル1981年5月2週目号』には、この曲が収録されたアルバム『ただいま』の広告が「ドカンとしっかり出ていました」。そしてレコ評のページでも紹介されていた。


 『FMレコパル』について。
 ラジオFM放送の情報誌。
 「当時は今より、FM放送の特別感があった」、そんな時代の情報誌。
 (年齢がバレちゃうけど、小学生の頃はチューニングを合わせてもFMがなかなか聴こえなくて、切ない夜を過ごしていたっけ)
 70年代から90年代にかけて、FMラジオの番組表をメインに音楽情報やオーディオの情報などが掲載されている雑誌がいくつも発行されていた。有名なところでは、『FM Fan』『FM STATION』、そしてこの『FMレコパル』。
 『FMレコパル』は版元は小学館で価格は200円。隔週発売。「テレビで言うところの『ザ・テレビジョン』みたいな感じかな。あくまで番組表がメインで、プレイリストや曲の長さも載っているので、いわゆるエアチェックできて録音するにも助かっていた」。
 (私は学生の頃、『FMファン』で番組を調べて、CDラジカセに録音してたなあ。泣けるほど懐かしいです)
 草野くんは「買ったことはなくて、ラジオの番組情報はもっぱら新聞のラテ欄見てチェックしてました」。でも友人の中には毎週購入してチャックしていた人もいたとか。
 今日の『FMレコパル1981年5月2週目号』は、たまに会って食事する学生時代からの友人が「断捨離で古雑誌捨てようとしたけど、とりあえず草野にやるわ」ってことでいただいたそうです。
 「I.Aくん、井上あきおくんとか、今井あつしくんとか、そういう名前の男です。聴いてるかな?」


 次は、Michael Jacksonの「Rock with You」(1979年、16thシングル/1979年、5thアルバム『Off The Wall』)。
 この『FMレコパル』には、ジャクソン・ファミリーの特集記事があり、「ジャーメインさんとかラトーヤさんとかの名前は出てくるが、ジャネットさんはまだ中学生くらいだったはずだから、名前がないですね」。
 当時、田原俊彦さんは「最近マイケル・ジャクソンにはまってて・・・」などと話していた記憶があるそうだけど、「日本では『スリラー』でメガブレイクするちょっと前なので、マイケル・ジャクソンを聴いてる、と言うと、当時はトレンディーな感じがあったのかな」。


 中身を見てみると・・・。
 「これ、検索したら、意外とプレミアついてた。定価200円のところ、今買うと1000円くらいするみたい」
 こういう情報誌は新聞などと同様にすぐに処分されていただろうし、「残っているものは貴重なのかもね」。
 草野くんが印象的だったのは、Weather Reportというヒュージョンのバンドの話を石ノ森章太郎さんがマンガとして描いていること。『FMレコパル』は毎週、手塚治虫、ジョージ秋山ら豪華作家人による音楽マンガが載っていたとか。
 実は『FMレコパル』は「ロックの情報は意外に少なくて、巻頭特集はオーディオ関係。そして、井上忠夫✖井上孝之の「気になる対談」があったり、「オーディオ情報からポップス、ジャス、クラシックまで幅広く網羅してる感じ」。
 ロックの記事をむりやり探してみると、「レコ評のページにロックのアルバムが何枚か取り上げられている」。

 その中から、まず、April Wineというカナダのハードロックバンドの「Crash and Burn」(1981年、9thアルバム『The Nature of the Beast 野獣』)。

 「ちょっとした年代物のハードロックワインはいかが?」というキャッチコピーがついている。
 「名前は知っていたけど、ちょっと地味目のハードポップバンド、という感じかな」と。

 次も「レコ評」から、Public Image Ltdの「Flowers of Romance」(1981年、3rdアルバム『Flowers of Romance』)。
 音楽評論家の北中正和さんによると、「繰り返し聴いていると、常識を破る音の快感があることを発見したのであります」ということ。
 前にも「ポストパンク」特集で紹介したが(ココ)、「このころのP.I.L.は従来のポップスやロックのフォーマットをあえて避けた楽曲をリリースしていた。なので、リスナーの皆さんの中には、なんじゃ、こりゃ?という方もいらっしゃると思いますが、2分50秒、お付き合いください」。
 曲終わりで、「(シングル全英24位ということから)こういうのがヒットするのが、やっぱりロックの国イギリスだな、と思いますが」と。


 『FMレコパル』、番組表も興味深い。
 今は福山雅治さんが担当している『ジェットストリーム』、このころは城達也さん。
 (私の世代では、城達也さん、絶対王者! 夜中に聴くあの声。受験のころを思い出すかなあ)
 NHK FMの『サウンドストリート』、渋谷陽一さん担当の金曜日はよく聴いていたという草野くん、「これは大事な情報源でしたね、当時はネットもないし、スマホもないし。雑誌はなかなか買えないし」と。
 そして、「水曜日は、烏丸せつこさんが担当されてたんですね」。
 そして、NHK FMとFM TOKYO(現・TFM)の番組表はあるけど、J WAVEはない、と思ったら、「このころ、まだなかったんですね~。J WAVE始まったの、そんな最近だっけ?と思っちゃいましたけど」。草野くんが大学生の頃に試験放送をやっていたそうです。


 次も「レコ評」から、Louise Goffinさんというシンガーソングライターの「I've Had It」(1981年、2ndアルバム『Louise Goffin』/原曲は1950年代のヒット曲)。
 キャロル・キングの娘で、『ミュージックライフ』などで「アイドル的に推してた記憶があります」。
 レコ評にもあるが、「キャロル・キングさんというより、リンダ・ロンシュタットみたいな、ちょっとカントリーロックなテイストですね」。
Louise Goffin - Watching The Sky Turn Blue Live at Hyde Park BST


 1981年ってどんな年?
 黒柳徹子さんの『窓ぎわのトットちゃん』、800万部の大ヒット。
 ヤンキーブーム! でも「FMラジオを熱心に聴いてた人にはヤンキーは少なかったと思われるので、この本にはヤンキーノヤの字も出てこない」。
 ローマ法王、マザー・テレサさんが来日。
 ロック以外のヒット曲は、寺尾聡さんの「ルビーの指輪」(ZO-3で歌いながら、「低いんだよね、キーがね」)、イモ欽トリオの「ハイスクールララバイ」、松田聖子さんの「チェリーブラッサム」。


 そして、Ali Thomsonの「Take A Little Rhythm 恋はリズムに乗って」(1980年、デビューアルバム『Take a Little Rhythm』)。
 草野くんがこの雑誌で初めて知ったシンガー。
 「すごい派手なピンクの広告が出ています」、ちょっとあか抜けた女性が彼のLPを持っている写真につけられたコピーが「Ali Thomsonも知らないで、青山あたりを歩いてもらっちゃ困るのよ」。
 「思いきりマウントとってくる感じ。これも時代だな。
当時なら、そんなにオシャレならちょっと聴いてみようかな」ってなったのかもしれない」けど、「今なら、ちょっとイラっとして、逆効果かも」。
 でもそんなことを知って聴いても「爽やかな曲。青山というより軽井沢あたりかな」。
 (40年ぶりに復活!という3rdアルバム『Songs from the Playroom』から、こんな曲が)
Aqua Blue lyric video

 最後の曲は、Arabesqueの「In For A Penny In For A Pound 恋はメリーゴーランド」(1981年、10thシングル/1981年、5thアルバム『Billy's Barbeque』)。
 この時代は、ノーランズ、Arabesque、The Dooleys、Dolly Dotsなどの「女性アイドルグループが流行っていて、『キャンディーポップ』という括りでブームになっていた」。「キャンディーポップ」で特集が組めるくらい・・・だそうです。
 ここでも、ノーランズの写真集の予告広告が「ドカーンと出てます」。
 またArabesqueについては、FM TOKYOで1週間特集をするという紹介も。
 そして、スピッツは、彼女らの「恋はメリーゴーランド」という曲を練習曲としてカバーしたこともある。なので、ラストをノーランズとどちらにしようかなと迷ったけど、Arabesqueにしたそうです。


 特集の最後に。
 「余談になりますが、『FMレコパル』は表紙のイラストもとても印象的」。
 草野くんが調べたところ、毎号、アルゼンチンのイラストレーターが描いていた。
 付録には、ビリー・ジョエルさんのポスターがついていたらしい。
 FM情報誌は「90年代まではあったのかな」。スピッツも取材されたことがあるが、今ではすべて廃刊になっている。
 (そうなんですね)


 そして今日の「ちょっぴりタイムマシン」は、八神純子さんの「Iʼm A Woman」(1981年11thシングル/作詞:阿里そのみ、作曲:八神純子、編曲:矢島賢(当時のスタジオセッションのトップギタリスト))。
 (イントロは、VRで記憶に新しい「オバケのロックバンド」)
 このコーナーも『FMレコパル』がらみで・・・。
 八神純子さんは、80年代にヒット曲を連発していた人気のシンガーソングライター。
 YAMAHAのスピーカー「NS460」の広告に登場。このスピーカーは3万円、ステレオでそろえると7万4000円、と「当時からしても結構いいお値段」。
 この曲がイメージソングで、「当時はテレビCMとかあったのかなあ」。
 「たしかに、八神純子さんの歌声って、いいスピーカーで聴きたくなるような、パワフルなんだけど艶があって美しい声なんだよね。そのへんを堪能していただきたいと思います」
 (パワフルだけど、力が入っていないと思わせるところで、聴いていると安らげる、私にとって貴重なシンガー。勝手に、ですけど)


 そして来週は、「ついつい聴いちゃうメタルナンバーで漫遊記」。
 「ロック大陸らしいテーマというか、草野の独断、独りよがりなセレクトで、少しマニアックなメタル曲特集」。おもに、「80年代の、なぜか気がつくと聴いてしまっている曲がいくつかありまして、そういうのをお送りしたいと思います」。
 (わがまま・・・大いに期待します!)


 「草野さん、ブロッコリーはマヨより塩派です」
 (あ、うちの相方もそう。私は何もつけない派です)



                              


『THE MUSIC OF NOTE~ フラワーカンパニーズ 超・超・超・今が旬ラジオ ~』
  2025.03 毎週土曜日 20:00~21:00
 DJ:フラワーカンパニーズ
 ゲスト:03.08 奥田民生/03.15 クハラカズユキ(The Birthday)/03.22 曽我部恵一/03.29 田村明浩(スピッツ)
  https://cocolo.jp/site/pickup_detail/2678/chk




 明日は大船渡のあたりも雪か雨になるのか?
 それは山林火災の鎮火にいい影響を与えてくれるんだろうか。
 粉雪が小さく舞う道を歩きながら、そんなことを考えていました。


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