金曜日のベトナム語の授業のこと。金曜日で3回目。第1回目の開校式のときは4人だったのが、そのうち韓国人2人が2回目から全く出席しなくなり、インド人と私の2人になった。ベトナム人の先生の話によると、よくあることで、特にベトナムで15日以上生活するには、学生ビザや就労ビザなどが必要なので、何らかの事情でベトナムで生活したいがビザがない人は、「学生ビザ」という抜け道があるとのこと。つまり入学金と授業料を大学に払えば大学が留学ビザを発行してくれるので、約3ヶ月間ベトナムに合法的に滞在できるということらしい。
それはさておき、今日は残った2人のうち、インド人が何らかの事情で1時間遅れてやってきた。その間、大きく出遅れている私のために、先生が特訓をしなければいけないと思ったみたいで、「Anh ten la gi?」(あなたの名前は何ですか?」の発音練習。先生が発音する「Anh」」のあとに聞こえたとおりに「Anh」(アン)と発音するのだが、先生は何度やっても「ダメ」「ダメ」。「よく聞いてください。私の発音とあなたの「アン」が違うのがわかるでしょう」と言う。
何度聞いても同じにしか聞こえないのだが、これをインド人が来るまで約1時間やらされて「ダメ」「違う」と何度も何度もダメだしをくらい、すっかり意気消沈。夢に出てきそう。
振り返って、私が日本語を教えている大学の授業のこと。このクラスも初級のクラスなので私とそう大差ない。あえて言えば3月中旬から約1ヶ月学んでいるので私より少し先行している。
そのクラスで「りんごをみっつ(こ)ください」という会話練習をしたところ、ベトナムには「つ」という単独の言葉がないらしく、似たような発音はThuong(トゥン)というのがあるので、「みっつ」が「みトゥ」になる学生が多い。
しかしである。確かに「つ」という単語を切り出して発音すれば「トゥ」となるためわからないかもしれないが、会話というのは必ずその前後に文脈があり、仮に「りんごをみトゥください」と発音しても相手にはちゃんと伝わるのである。
日本語教師養成講座420時間を受講していた時の先生の話。「初級を教えるときは
、学生のモチベーションをいかにして維持し、高めていくかが大事です。会話は相手とのコミュニケーションの手段ですから、相手に通じること、つまり小さな成功を積み重ねて、会話っておもしろいと思ってもらうことが大切なんです。」とおっしゃった。これからも学生には「間違ってあたりまえ。どんどん話しましょう」と言おうとあらためて思いました。
「教えながら学び、学びながら教える教師になってください」は、私の恩師の言葉です。
教えるとは意欲を伸ばすこと。意欲が育てば後は本人ががんばり出します。ところが、その意欲を伸ばすこと、生徒の心に火をともすことは簡単にはいきませんね。
T先生、がんばってください。
生徒の意欲をどのようにして伸ばすかはとても難しいことだと思います。例えば生徒Aさんが、「昨日に比べて今日の会話は・・・がよくなったというように、一人一人の進歩を見逃さずに、気づいたらできた・・と褒めてやる」ということでしょうか。これは、一人一人をよく観察していなければできないことなのでとても難しいことですね。