上北沢暗室雑記帳

写真に関するよしなしごとを

写真展060503

2006-05-10 22:06:24 | 写真展
       (水戸市水道低区配水塔)

 ツーリングに出かけた昨年とは打って変わって暦通りの今年のGW。と言っても5年休、やはりどこか遠くへとも思ったものの、高い金を出して混雑に巻き込まれにいくのもばかばかしい、でもやっぱりどっか行きたいぞと水戸へ。
 昼近くに家を出たら、環八も外環道も意外と混んでなくて、常磐道で数キロ程度の渋滞が断続的にある程度。ただしSAは大混雑で、お昼は高速降りて食べようとそのSAから出てしまった。スマートなんとかいうやつ、初めて使ってみた。15時過ぎに宿入りし、徒歩で水戸芸術館へ。

◆ダークサイドからの逃亡/水戸芸術館
「戦争や憎しみの連鎖がおさまらない混沌とした状況の中では、ますます狭い視野に縛られ、悪におちいりがちな人間が、ダークサイドからいかに距離をおき、人間の尊厳や良心に対して自覚的になれるか」をテーマとした、映像・写真・彫刻・詩や文章の展示。というコンセプトも知らずに見てみたら、思いのほかの充実ぶりに満足。
 マイケルライトの、水爆実験のキノコ雲とそれを見守る関係者たちのスナップにまず圧倒され、19945年から1998年までに諸国が実施した計2053回の核実験を、一ヶ月を1秒に圧縮して順に世界地図上にプロットしてみせる、橋本公の映像作品を興味深く眺めた。広河隆一の大判モノクロもわずかな点数ながら深く見入る。ただ、長倉洋海はちょっと見慣れた感じ。ユージンスミスのカントリードクターや楽園への歩みは、せっかく都写美から借りてきたらしいが、新鮮さがなく蛇足な感じ。
 これら写真作品やインスタレーションの合間に、トルストイや谷川俊太郎の一節が示されているのはあまりどうとも思わなかったが、最後の方でK.Leipoldの「もし世界が100人の村だったら」が出てくるのは、展のテーマを浮き上がらせるいい仕掛けだなと感心した。
 本展とは別に、おまけとして本城直季が展示されている一室があってちょっと得した気分だが、スキー場風景の作品で、これではあの箱庭的な作風があまり際だたないなあと思った。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ただいま | トップ | 密着・鹿島鉄道(1) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

写真展」カテゴリの最新記事