脚本『せいくらべ』 

まわってるよシリーズ1  せいくらべ 
                  石倉恵子/脚本・線画
                  佐藤義二/彩色

1 ある回転すしやさんに、むし・えびこさんと、あま・えびおさんがならんでまわっていました。
  ふたりは大のなかよしです。ふたりとも150円の赤まる皿でした。」
<三分の一ぬいて>
すると後ろにやってきたのは、ぼたん・えびのすけくんです。
  「おい、どうだ、ぼくを見てくれ、こんなに高いんだぞ 」

2 「えびおさん、なんだかうしろがうるさいわね」
  「おや、目皿の分だけ大きいのがくるよ。」
  「やーい、くやしかったら、ぼくみたいに大きくなってみなよ。体も大きいし背も高い、ねだんだって、花皿の250円だぞ。しかも 1かんだし」

3  そこでむし・えびこさんは、はしをつかんでたちあがりました。
「えいっ、わたしだってたかくなるわよ」

4  あま・えびおさんは、二つならんでいたえびに頼んでえびぞってもらいました。
  「とりゃ、ぼくだって。どんなもんだい」

5 ところが、「あっ、あぶない」
  前に見えてきたのはベルトコンベヤー曲がり角です。

6 ドカン 、「あれー」、ゴチン

7 「ひゃー、えびぞりがこわれるよ、おっとっと」バサッ

8 ガタン。あま・えびおさんが目皿にあたってしまいました。ゴトッ、パッコーン
  ぼたん・えびのすけくんが、空をとんでいきます。「ひえ、たすけてー」

9 パカッ。あっ、これはたいへん。あついお茶いりの茶碗の上に不時着してしまいました。
   ほかほかほか、モアモアモア、「あっついな」

10 「ああ熱かった。」ぼたん・えびのすけ君はやっとの思いで目皿の上にもどってきました。

11 すーすーすー。「ああ涼しい。目皿はやっぱり涼しいな、なんだか背中が堅くなったみたいだけど、どうしたのかな」

12 こうしてぼたん・えびのすけ君は、むしぼたん・えびのすけに変身してしまいました。
「ぼたん・えびのすけ君はむしぼたん・えびのすけになったら、なんだか色が変わって私に似てるわ。」「身がしまったみたいだね」
むし・えびこちゃんも、あま・えびおさんも、むしぼたん・えびのすけ君が好きになりました。こうして今では三皿仲良くぐるぐるまわっているということです。
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