絵本と紙芝居の違い

このブログの検索ワードを調べると、比較的多いものに「絵本と紙芝居の違い」があります。
学生がレポートを書くときに調べるのでしょうか。
ならば、最後に自分の考えを書く必要もあるでしょうね。
「違い」について今の私の理解の程度で書いてみます。絵本①と紙芝居①が、比較できるように書きます。

絵本は・・・・
①片側が綴じられています。2枚の見開き画面を同時に見ることができません。
②自分1人でも読むことができるし、大人と一緒の時は横並びやお膝に抱っこ形式で、かなり近くで見て楽しみます。
③絵本は、今は文字が横書きが主流でしょうか。そうですと、絵が左から右に動く構図で書かれています。もちろん、それと関係なく、1ページずつ独立した画面が展開するものもあります。文字が横書きの場合は、表紙を上にして置くと左側が本の背になります。なお、文字が縦書きですと絵は右から左で逆になります。
④綴じる工程は工場で行われますので、基本的に専門家が作り、大量印刷します。
⑤印刷文化です。「絵本は自立している」と言われるのは、印刷されてすでにそこにあり、人が多様に読み込んでいくからです。本ですので、ページを繰りなおして戻ることもできます。深い内容を表現できます。

紙芝居は・・・・・
①綴じられていずにカード形式です。半分抜くなどの操作をしながら、次の画面を合わせて見ていくことが多く、カードが例えば12枚であっても、画面は連続して起こり、20~30くらいのパターンとして認識します。絵巻が途中で途切れないようなものです。
②必ず誰かにやってもらわなくては成立しません。やってもらう人や聞き手同士との対面の交流があります。これを利用したのが、集団相手の絵本の読み聞かせです。
③時間の流れが右から左ですので、脚本は縦書きで右から左です。見る人も抜かれるカードに沿うように視線を動かし、場面展開も右から始まり左方向に進むように作られています。絵本の③と同じように、画面ごとに独立した絵カードの場合もあります。
④カードのままで使えますので、誰でも手づくりできます。
⑤口承文化です。「紙芝居は演じ手に依存している」と言われるのは、演じる時だけその世界が立ち現れるからです。一度抜いたら戻って確認できないので、骨太の構成にして、分かりやすいようにしたほうが紙芝居の特徴に沿っていますが、内容が薄いといわれる原因にもなっています。

他に違いはたくさんあるでしょう、見つけると楽しいですね。
さて、違いがあれば同じところもあります。

どちらにも言えることは・・・・・
・大人が子どもに読み聞かせる場合、「絵を見せて語る」ということでは同じです。
・活字に親しむことの重要性がたびたび言われますが、どちらも利用価値の高いものです。
・作品の読み方や認識について、人それぞれ感じ方が違います。人間の多様性を学ぶときに、どちらも大切な道具になるでしょう。

これからのことを考えます。だから、どうだ、ということです。絵本と紙芝居、違いがあるからそれからどうするのか・・・ということです。

違うから一緒にできない、だから排除する。というのが一つの考え。
違うけど、特徴を利用して共存する、というのも一つの考え。
その他に、違う考え方が生まれてくるかもしれません。

ここに、「学ぶ人」のスタンスが別れるポイントがあるのでしょう。平和に向かう道はどこにあるのか探していきたいと思います。



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