決定版!日本むかしばなし紙芝居

『いっすんぼうし』こがようこ/市居みか
『うらしまたろう』常光徹/西村繁男
『おむすびころりん』長野ヒデ子
『かぐやひめ』やえがしなおこ/早川純子
『つるのおんがえし』坪田譲二/松成真理子
『はなさかじいさん』津田真一/梅田俊作
の6巻です。どれも12枚、童心社刊です。常光徹さんの監修なので、いいなあと思っていました。

『いっすんぼうし』は小さい子向けの語りかけ絵本を多数書いているこがようこさんの文なので、とても小さい人に親しまれると思います。ただ、鬼をやっつけるところで、針で目を刺す画面があり、ちょっとドキッとしました。皮膚感覚で怖さを教えたいような気もしますが、保護者の方はどう思うでしょう。「えいえいえい」などと言いながら早めにカードを抜こうと思っています。

『おむすびころりん』はよいおじいさんだけの話です。これも小さい人向けに、単純でいいです。リズミカルなもちつきも楽しいです。

『つるのおんがえし』は昔の脚本の、絵を書き変えた物のようです。脚本の長い部分は直してもいいかと思いますが、ちゃんとしたものなので時間さえあればそのままできますね。絵も構図が間違いなく描かれていて安心しました。アップありロングありで起伏に富み、必要な部分は大きく描かれていてとてもいいです。

実は、いままでの『つるのおんがえし』教育画劇は絵が文と合わないのです。なんとかやろうとしましたが、断念した記憶があります。
『つるのおんがえし』教育画劇 ですが、14場面。おばあさんが覗いて、脚本では「つるが自分の羽を抜いて織り込んでいる」などとありますが、左半分は娘の姿になっています。「娘の姿に戻っている」と説明されていますが、やはり、鶴が機を織っている絵が欲しいと思います。一番大事な場面なのではないでしょうか。それから、16場面、鶴が飛んでいる下に、おじいさんおばあさんが笑顔で送り出していて、驚いたり悲しんだりしているはずの二人と絵が合わないのです。全体的には、話の前半部分の絵の割合が多く、全体の配分を考えずに作ってしまったように思うのです。図書館はたくさん所蔵しているけれど、間違って借りられないように何とかできないものかと思っています。
『つるのおんがえし』(旧作)童心社は1巻ありますが、文が長く、絵は、線がはっきりしていて好きなのですが、全部遠くから見ている(ロングカット)で、演劇舞台を見ているようです。絵描きさんは中尾彰(しょう)とお読みするのですね。著名な童画家です。紙芝居の特性がまだ研究されていない時代のことでしょう。
新作が出て、良かったです。もうちょっとたくさん買って欲しいが。

『はなさかじいさん』は人気脚本家の津田真一さんの文ですので、これもばっちしです。絵も、長く紙芝居をかいておられる梅田俊作さんの絵なので安心です。
同じ津田真一さんが『こたろうとりゅう』を書いておられ、絵はザ・キャビンカンパニ―という人気絵描きで、ぜひ見てみたいと思っていました。童心社の月ぎめのシリーズで、五山賞の何かをとっているので後で見ようと思っていたら、そもそも図書館が買っていなかった。驚いて、リクエストをかけている最中です。せめて月ぎめのものは買って欲しいですが、状況はきびしいのでしょうか。

『かぐやひめ』はお婿さん候補は3人の設定です。そのため12枚で収まっているように思います。聞き手の負担も少ないでしょう。ものの本により3人の場合もあるとか。物語が付け加えられたりして変わっていく様子が今更のようにわかります。
今風の絵で、気楽に楽しめます。

昔話紙芝居はたくさん出ていますが、長くて使いにくいものが多いのです。童心社はちゃんと現実を見てくれていてありがたいです。新しく、短めにできているのはどうしても必要になるのです。けれど会員さんも、文を短くするのは気おくれするようです。
また、教育画劇の昔話シリーズで、「はじめての~~~」シリーズもあります。これらの絵を見て最初はびっくりしましたが、今どきのお母さんお父さんは抵抗がないのではないかと思いました。偉そうでない身の丈に合った様子は、自分が近づいていかなくてはなりませんね。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 全国表彰あり TS事業所訪問記録 »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。