昔の話をしましょう

私は、絵本や紙芝居の読み聞かせを始めて25年になります。昔の、私の体験した話をしたいと思います。

 新潟市の子どもの本にかかわる人の中に、かつて、児童文学や図書館関係で数人の権力者がいました。そして、その人に近いボランティアほど偉い、というピラミッドが形作られていました。かつて、と言ったけれど、その図書館関係者がずっと昔に良書の見分け方を教えるような読み聞かせ講座をしたものだから、その「教え子」と言われる人たちが「自分たちは一段高い」と思っている状況が今も続いています。

「教え子」の中には、「私は良い本がわかるから、あちこちの書店から特別に声がかかるの」と思い込んで書店での読み聞かせに精を出す人もいます。学校司書のなかにもそういう教育を受けた人が多く、「教え子」に特別な敬意を払う人もいます。ある司書など教え子のボランティアに向かって「新潟市の子どもが悪くならないように、よい本で子どもを育てて。ボランティアの先頭に立って」などと言った様子で、自分たちはリーダーだとばかり、プログラムや読み方やページめくりの作法、特定の本を優遇する選書など、厳しく教えようとする団体もあります。入会1年目は人前に出させてもらえないという噂、本番1時間前に来て読み方をチェックされるという噂。今の図書館の人はこれらのことを知っているけれど、これはどうしようもないこととあきらめているのでしょう。

 今年も読み聞かせ入門講座があるとの案内が来ました。内容を見ると、絵本の種類と選び方、などとあります。種類分けする習慣がつくことはとてもいいことだと思います。プログラム作りにジャンル分けすることが必要だからです。私たちの会は10年以上も昔から、分類して表に作る習慣を教えてきました。また、集団相手にわかりやすい絵本を選ぶ感覚も必要です。けれど、良書と呼ばれる一群にこだわる必要はないと思います。それは差別の第一歩だからです。差別はいじめに繋がります。どうぞ、そこは気に留めていただきたいものです。それは「良書」または「読み継がれた本」という一つのジャンルでしかないのです。

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