手作り紙芝居『どーいん あかずきん』 入賞しました

写真は画面⑦ 「オオカミはえろいんぴつでまゆかいて、いのぐでくちべにぬって・・・」

平成28年度県自作映像・視聴覚教材コンクール 社会教育・地域映像部門 で優秀賞をいただきました
クロスパルでの活動を通じて、こういうコンクールがあることを教えていただきました。
作ったのだから、演じてもらわなくては価値がありません。ダメもとで応募してみました。
なお、複製品は、ほんぽーとに すでに寄贈してあります。どなたでもお使いください。新潟市以外の方は、ご自分の地域の言葉で直して語っていただければいいのです。また、柳やのっぺなど、地域のものに置き換えてやってくださって結構です。絵を直す必要があれば、そのカードだけコピーしたあと、その部分だけ違うものの絵をかいて、コピーしたものの上から貼って 語ってください。返却する時は、直す前のものをちゃんと戻してくださればいいです。
ところで、表彰式には、やっぱり実演するんだろうか・・・。

以下2012年5月投稿

1年位前から、新潟に関係するクイズ紙芝居をもう少し作ったらどうかと会員さんに言われていまして、BSNの作った新潟弁のCDなどを聞いて考えたりしていました。でも、そこで思いついたのは、皆が知っている話を新潟弁、あるいは新潟バージョンにしたらどうか、ということでした。

「昔話を変えちゃいけないんだよ~~」とか言われそうですが、「まーね、そう思う人もいるだろうね」ということで、そう思わない私は、「紙芝居にするとおもしろい展開で描けそうだ」というものさしで、あかずきんを作ることにしました。ちなみに、新潟市の木は柳、花はチューリップ。「きび」はとうもろこし、「のっぺ」は里芋の入った具沢山の郷土料理の汁ものです。画材は、アクリル絵の具と、最後にクーピーを使いました

この前、カミシバイハウスでやってみたら、子どもたちは目が…になっていて、あまり笑いが起きなかった。「きれいな新潟弁じゃおもしろくないなー」「もう少し年上、小学生くらいにやってみたら」などと会員さんたちに言われて、「誰か、もっと上手くやってっ!」と頭を抱えています。自分でも回数を重ねればもう少しうまくやれるかも。脚本は以下の通り。

これは、あかずきんの話を新潟風にするとどうなるか、作ってみた紙芝居です。新潟弁が得意な人を、皆さんは知っていますか?「い」と「え」の音が似ていて おもしろいし、独特の言い方も、何となく意味がわかるような感じがします。じゃあ、やってみますね。

 「どーいん あかずきん」        石倉恵子/脚本・絵

 ①      むかし、あるところに かーわいげな おんなのこがいたったと。その子がまた、えちご(いちご)みたいな赤いずきんが ばか にあうもんだすけ、みんなが あかずきんってよんでいたって。

 ②      あるひ、母ちゃんが「あかずきんや、この きびと のっぺこと おばあちゃんちにもっていってくれや。おばあちゃんは 病気だすけ、これでげんきになるろ。」
〈 半分抜いて 〉
それで あかずきんは かごにきびとのっぺいれてさ、歩いていったんだと。

③      そうしたらオオカミがでてきてな、
「あかずきんや、どーいんだね、そんげなかご 持ってさ」
っていったと。けど、あかずきんはオオカミなんかなーんも知らんもんで
「うん、これ、きびとのっぺ。あたし、おばあちゃんちにいくとこ。」って答えたって。
  「そーいんけ。で、おばあちゃんちはどごにあるん?」ってオオカミがきくと、

④ あかずきんは「へえ、ここから ちいとばかいくと、三本の柳の木があるろも、そこんとこだて。窓ん下にチューリップがうわってるがね。しかも わかりやすいろ」と教えたって。それで二人はしばらく歩いていったと。

 ⑤    そうしたら、オオカミがな「ほれ、見れて。うんまそげなえちごが あんげ いっぺことなってがね。」っていったんだと。それであかずきんも「そうらね、せば、つんだばっかのえちごも おみやげに せーば いいねっか」って言って、そこらの石をけっぽりながら 森の奥に 入っていって、
〈 抜きながら 〉 いっぺこと えちご とったって。

 ⑥    その間にオオカミは、おばあちゃんちにとんでいったって。そうして おばあちゃんを ぺろぺろっとたべてしまったと。 それで、オオカミは

 ⑦    おばあちゃんのぼうし かぶってさ、ふく きてさ、 えろいんぴつで まゆかいて、いのぐで くちべにぬって、 布団かぶって ねたふり していたんだと。
(半分抜いて)
そうしたらあかずきんが やっと家についたって。
「おばあちゃん、なじら?みまいにきたれ」

 ⑧    そういったろも、なーんも返事がねーもんで、あかずきんはベッドのそば行って カーテンあけて、おばあちゃんを見たんだって。
(耳まで抜いて)
「おばあちゃん、どーいんだね、その耳。そんげでっかくて」「おめさんのいうこと、よく聞こえるねっけ」

(目まで抜いて)
「おばあちゃん、どーいんだね、その目。そんげでっかくて」「おめさんのこと、よく見えるねっけ」

(手までぬいて)
「おばあちゃん、どーいんだね、その手。そんげでっかくて」「おめさんのこと、よくつかめるねっけ」

 ⑨ 「おばあちゃん、どーいんだね、その口。そんげでっかくて」  「おめさんのこと、すぐ くわれるねっか」
そんで オオカミはあかずきんを ぱくっとのみこんで、またベッドでぐうぐう ねたんだと。

 ⑩ ちょうどそん時らて。りょうしが一人、通りかかったんだと。
「あきゃー、何してんだ。戸お、あけっぱなしらねっか。用心がわーりいこと。どれ 入ってみっか。・・・
どおー、こんげなとこにオオカミがいるねか。こりゃ、おばあさんをくったかもしらんな。」

 ⑪    それで りょうしは はさみで オオカミのはらを じょきじょき きったんだと。2,3度きると あかずきんがとびだしてさ、その次に おばあちゃんも いきたまんま 出てきたんだと。

 ⑫    あかずききんは、すーぐ いしをいっぱいこととってきて、オオカミの腹んなかにつめてさ、ちくちく腹をぬったと。そのうちオオカミは目えさましてさ、逃げようとしたろも、石が重たくて、たおれてしんでしまったんだと。

 ⑬ りょうしは オオカミの皮はいでもってかえったし、おばあちゃんは きびとのっぺたべて、びょうきがよーなって、風呂に入ってじょんのびしたと。あかずきんはさ、
「かあちゃんの いうこときかんで、道草くってわーりかったな。もう、あんげこと、誰がしょば」と言ったんだと。 これで話はおしまい、いちがぽーんとさけた。

 平成24年5月25日

   参考資料 
『グリムの昔話2』フェリクス・ホフマン/編・画  大塚勇三/訳(福音館書店)
CD「今すぐ使える新潟弁」(BSN)





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