聞き手選書を進めたい

昔、「子どもが選んだ本を読み聞かせる」という事業を図書館に提案しました。今は「いっしょによもうよとしょかんのほん」として続いています。

プログラムをあまりきっちり決めない、ということにすごい反発がありました。曰く、よい本がわからないのだろう、子どもに与える本を吟味しないのだろう、そんないい加減なおはなし会は聞き手に失礼だ、などなど。それらについて、説明します。
 提案時の文章にも書いたのですが、子どもの権利に「選択権」(意見表明権)というのがあり、大人は子どもの選択を人権として尊重しなくてはならないのです。たとえ幼くても、子どもにはその成長過程で心惹かれるものがあります。けれど大人目線ではそれはわかりにくく、つまりは子どもに聞いてみればいいだけのことです。子どもの権利条約は20年以上も前に批准されており、それを守るのは法令順守のようなもの。つまり、大人が本にあれこれ良しあしのレッテルを貼って、きっちり順番を決めることは、法令を無視することではないでしょうか。法令順守のほうが大切だと私は思います。一緒に逆風をくぐり抜けてくれた仲間には本当に感謝したい。

 また、読み聞かせは相手との交流だという意見にも賛成しています。交流というのは、お互いの意見を平らに並べて聴くことです。相手の意見を聴かないというのは、交流にはならないという心配もあります。「みなさんのリクエストを取り入れて読みますよ」と初めて子どもに言った時の、子どもたちの嬉しそうな顔を私は忘れることができません。

  現実的には本棚を背負って出るわけにいきませんから、数冊の中から選んでもらいます。その数冊を、ボランティアは「これがいいかなー」と吟味しているわけです。他人の「いいかなー」を別の人が否定せず、子どもを信頼してそのまま子どもに聞いてみる方法をとっています。

ところで、図書館は、「おはなし会に何を求めるか」と親子にアンケートをとったことがあったでしょうか。おはなし会自体がそれほど重要視されていないのかも知れないけれど、市民が何を求めてボランティアの読みを聞くためにおはなしのへやに入るのか、知りたい気がします。

 

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