神奈川絵美の「えみごのみ」

10年ぶりの「かわゆらし」 - 十二月大歌舞伎 天守物語 -

(前回の続き)
やっぱり玉三郎さんを観たいなあと
急遽、一幕見をとった私。
ついでなので、神谷町で途中下車し
麻布台ヒルズのクリスマスマーケットも
のぞいたのですが、その写真は次回アップしますね。

さて

ここは夜の歌舞伎座。
第三部の二幕目「天守物語」は午後7時20分過ぎの
開演とあって、外はひんやり。


天井席なのですが、販売開始一番乗りくらいに
早いアクセスだったので、
一列目中央のベストポジションをとれました。
(販売一時間後にサイトを見てみたら、早々に
完売していました)


今、知ったのですが
玉三郎さんの富姫は十年ぶりだそうで。


私は初見でしたが
前半の、七之助さん演じる亀姫との
仲良しぶりがもう、玉がころころ転がるような
美しさ、優美さで、ここだけでも夜、来た甲斐があったなと。

妹分の、亀姫の「おかわゆらし」表情や仕草が
同性からみても魅力的で、富姫が可愛がるのも当然だわと
共感できるし
人間ではない設定も、台詞だけではなくたたずまいから
にじみ出てきて、
ファンタジーな世界に無理なくひたれます。

富姫が後ろ向きになったときの、薄いオーガンジーのような
衣装がまたきれいで、いつまでも観てみたいほど。

泉鏡花らしく、妖艶というか、グロテスクな描写も
出てくるのですが、ひたすら美しい。
玉三郎さんが、演出にあたり原作を、とても大事にしているのが
伝わってきます。


團子ちゃんは人間の武士の役で
清々しくまっすぐなさまに富姫が惹かれる、という筋。
團子ちゃん、、、すっかり声が大人になって
台詞もよく通るし、成長したなあなんて感じ入ってしまいましたが
ただ、富姫が恋に落ちるほどの、男性としての色気があるかというと
自分の感覚としては、まだまだかなあ。

大詰めの、龍が暴れる場面もダイナミックな動きで
見ごたえがありました。

そして最後に獅童さんがおいしいところを持っていくのですが
この役どころも、中途半端な役者さん(失礼な言い方ですみません)では
最後がしまらないものになってしまうのだろうなと思いました。
出番は短くても、獅童さんだからつとまるお役かと。

夜、遅くなるのでどうしようかなと躊躇したのですが
行って良かったです。
10年といわず、また玉三郎さんの富姫、観たいなあ。
泉鏡花は、舞台化を願っていたものの生前にはかなわなかったそうで
きっと空のかなたで、喜んでいるだろうと思います。

コメント一覧

kanagawa_emi
>まるたけ さんへ
こんにちは! 耽美というのともちょっと違うのですが
ほどよく「人間界ではない」様子が美しく演出されていて
観てよかったと思える舞台でした。
私には知識がないのですが、シャンパンゴールドのような
透け感のある衣装に、大ぶりの花の刺繍?が見事で
一枚の絵を観ているようでした。
まるたけ
私にとっては夢のようなお話ですが、オーガンジーのような薄い衣装とか言われるとほおお、と想像して楽しんでいます。
よいものを見た後の充足感。絵美さんの文章から伝わってきますよ。
kanagawa_emi
>香子 さんへ
こんにちは! そうなんですよね、私ネットの画像で
EBさんの図書ちゃま見たのですが、玉さまと寄り添う場面は
ホント、ポスターか何かにして永久保存したいほど
美しい絵面でした^^;
香子
まあ、タマさまの富姫は10年も前でしたか。
10年前も観ているので ついこの間のような気がしていました。
(亀姫は勘九郎クンだったかな?)
図書ちゃまは見た目だけなら やはり襲名前のEBさまですかね w
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