何気なく聴いていたラジオから、経済学者のこんなコメントが
「今、金がすごく値上がりしているでしょう。これ理由がわからないんですよ。」
(そうなんだ…)
ネットで調べてみたら
なんと、爆騰といってもいいほど右肩上がり。
※グラフ中の価格はあくまで純金(K24)のものです。
実は私、着物にはまる前は
洋服やバッグとともに、アクセサリーもちょこちょこ買っていて
それが上のグラフの2000年―2004年くらい。
私は2005年から着物を着始めたので、それ以降はぴたっと、
そういうものは買わなくなったのですが、
よくよくグラフを見れば、金が一番安い時期。
そういえば、あのころは、
ネットのオークションサイトでK18の指輪が、華奢なものなら
数千円で出品されているのも珍しくなく、
私も2000~3000円台で手に入れたこともあったっけ……。
あと、あのころは円高で、通販チャンネルでよく
海外のK10とかK14のアクセサリーが販売されており、
バーゲンともなるとやはり2000円~の、今では考えられない安値に
なったりして、そういうのも衝動買いしたり。
それが今は、年齢とともにサイズも合わなくなり
ペンダントの類は
情けないことに首や肩が痛くなるし、着物が多いのでつけないしで
10年以上、出番のないものもちらほら……
例えば
買ったものはおおかた、値段は忘れてしまっていますが
これはよく覚えていて、
何と純金。K24にダイヤもついているのに
20年ちょっと前、宝石専門のリサイクル店で
9000円でゲット。
当時でも安いなあこれ、と思ったので店に聞いたところ
「さあ…デザイン(性がないから)ですかねえ」との返事が妙に記憶に残っていて。
(それなら試しに、売ってみようか)
「金を売る」……よくよく考えればリサイクルショップや質屋さんの
買い取りでも扱っているのに、
そう思ったとき、私の頭には田中貴金属しか
浮かびませんでした……。
というわけで、
葛で伏せた単衣の小紋でお出かけした日
いざ、銀座一丁目の田中貴金属店へ!
10時30分の開店で、まあ開店と同時くらいに入店すれば
その後の時間を有効に使えるかな、と思ったら
すでに10数名、店の前に並んでいました
ちなみに四丁目の松屋銀座の前には
ヴィトンの入り口に外国人客が長蛇の列。
何だかそれぞれに、並々ならぬ熱気を感じます。
さて、田中貴金属店では開店と同時にわーっと人が吸い込まれるように
入っていき、
みな、1階の販売フロアには目もくれず、4階の売買フロアへ直行。
4階ではまず、受付の男性に
「買いか、売りか」を申請し、申し込み書をもらって記入します。
印象としては買いと売りが半々だったような。
フロアはあっという間に数十名の人で埋まり、
わさわさしていて、
中には「ウィーン(金貨)ある? メープルは?」とか
慣れた風にスタッフに聞く人もいて、
何だか私は場違いなところにいるような気がしてどきどき。
申し込み書を記入し受付に渡すと、番号札をもらえます。
なんだか病院の初診時みたいですね。
実際、売買フロアは1から10の番号がついた扉がずらっと並んでおり
自分の順番がくると呼ばれ、個別ブースに案内されます。
これも病院の診察室みたい。
10分くらい待って呼ばれ、ブースに入ると
銀行の窓口みたいな感じで、クリアな仕切りの向こうに
若い女性スタッフが座っており
まず、彼女にこちらの身分証明書を提出します。
そして、
売りたいものをテーブルに出すのですが
今はたいへん混雑しているので、10点までとのこと。
後で聞いたところによると、相場が高いうちは
持ち込み点数の制限があったり、
インゴットと呼ばれる純金のバーしか受け付けないときも
あるそう。
これは来店前に、電話確認する方が良さそうですね。
それで私
こんな風に要らないアクセサリーを
ある程度
K18、K14、K10と分類(品位というそうです)しておいたので
K24とK18を中心に10点、ピックアップして出しました。
それをまず、窓口の女性スタッフが拡大鏡で
刻印などを確認し、明らかにメッキとわかるものは
返品されます。
わからないものは、「傷をつけて調べることになってしまいますがいいですか?」と
客に確認、了承をとるそう。
その間に客は、「売買にあたっての留意事項」なる長い文章の書かれた書類を
渡され、読んだうえでサインします。
金融商品の約款みたいな書式です。
内容は、「宝石がついているものは外して返す。その際傷がつくこともある」とか
「宝石の価値は鑑定しません、ブランドも考慮しません」とか
「200万円(!)を超える場合は銀行振り込みになる」とか
いろいろ書いてありましたが、すでに忘れました……。
スタッフが目視で品物を確認後、
正確なグラム数の計量や、買い取り価格の計算には1時間半かかるとのことで
ふたたび引き換え用の番号札を渡され、いったん店を出ました。
そして夕方……
店の入り口でコンシェルジュのような黒スーツを着た男性に
用件を告げるとすごく丁寧に、エレベーターまで案内してくださいました。
(朝、一度行っているので場所は知っているのですが)
こういうとき、着物だと一目置かれるなあ、と改めて実感。
4階で番号札を渡すと、数分で呼ばれブースの中に。
朝のスタッフとは別の、少し御年が上の女性が窓口にいて
にこやかに、今日はありがとうございました、こちらが計算書です、と。
(本来は私の方が、買ってくださってありがとうございました、では
ないのかなあとも思うのですが)
こういう書式のものが出されます。
果たして、私の純金のペンダントは……
12,201円/g×4.7g=57,345円!
なんと、20数年前9000円だったペンダントが、57345円に!
(売却金は200万円以下の場合、現金でその場で手渡しされるので
額によっては店を出たら銀行に直行する方が安全)
このとき、私、思いました……。
ほったらかし投資ってやっぱりいいんだ、と(違。ただのほったらかし)。
そして、円が弱くなっているんだなあ、とも。
なお、売ったアクセサリーは翌日には溶かされる(!)そうなので、
もし「やっぱり売らない! 返して!」という場合は当日中に連絡してとのこと。
まあ私などは自分でちまちま買った小さいアクセサリー類なので
そんなことはありませんが、
間違って家宝を溶かしちゃったとか、そういう世界もあるのでしょう。
帰りがけに、1階の商品販売フロアを
滅多にこれないところだし、と見させていただいたところ
歌舞伎の舞台に出てきそうな大判、小判がずらっと並んでいて
「千両箱で買っていかれる方もいるんですよ」お子さんやお孫さんに、と……
と、お店の方。
もう雲をつかむような、私の知らない世界がここにも。
まあでも、金を売ること自体は
ちっちゃな指輪でも、細いネックレスでも
気持ちよく買い取っていただけるし、そんなに敷居が高い行為でもなかったなあと。
ちなみに買い取り価格は店によってまちまちで、
田中貴金属店は少し手数料が差し引かれます。
また、純粋に金をグラム換算して買い取りますので
もしかしたらほかのリサイクルショップや質屋さんで
手数料無料とか、ブランドの価値とか、ついている宝石も込みで
査定してくれるところならもっと高値がつくのかも。
金相場はこれからどうなるのかわかりませんが
手持ちの残りは、生活に困ったら売ることにします
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