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神奈川絵美の「えみごのみ」

うっとりしたいの

……それは、
この日がバレンタインデーだったから、というワケではなく



(そうだ、玉さまを観に行こう!)

さやあてのみっくんも、梅玉さん福助さんの花見も
観たかったけれど、
私、実は歌舞伎の阿古屋は未見だったので……

幕見は案の定、発売開始2分後には完売。
私はタイミングよく、最前列の真ん中をとることが
できました(といっても幕見なので最上階)。

着ていったのは



今年は今回限りかな、の
光琳梅の帯。江戸友禅の小倉貞右先生作です。
着物は山形の白鷹織。

前はこんな感じ。


お太鼓はこんな感じ。

背中がしわっぽかったですね…結局この日、羽織つきで通しましたが。

さて歌舞伎座は



私が見た中では近年で一番、
開場前の人の山がすごかったような……
(人の顔が写っていたので、写真はカットしてしまいましたが)



木挽町広場はもう、ひな祭りの設えでした。

阿古屋は私、文楽では一度観たことがあるのですが
歌舞伎はやはり舞台の演出とか
登場人物の見せ方が全然違いますね。
とにかく玉さまが終始舞台のほぼ真ん中の前方にいるので
オーラがビーム(!)のように観客に向かって放たれる感じで
終始、ひたすら美しく、観ている方も気分が高揚します。
菊之助さん(重忠)すらも
(何だか、単なる阿古屋ファンの青年に見える…)
なんて思ってしまったほど。
種之助さんの岩永の方が、特殊な見せ方(人形振り)ではありますが
役に徹するというか、キャラが一貫していたような。
(初役だそうですね。熱演でした)

以前どこかで玉さまのインタビューを読んだことがあるのですが
阿古屋は本当に景清の行方を知らない、という設定だそうで
私も純粋に、次々と繰り広げられる演奏を「くもりのない音」
として楽しむことができました。
たぶんその正直さというか、純真さを重忠も感じ取ったからこそ
"阿古屋ファン”な立ち居振る舞い、せりふ回しになったのかなとも
素人ながら思いました。

阿古屋も100%聡明で落ち着き払っている…というわけではなく
ときどき「あれぇ」など可愛らしいリアクションをして
観客を笑わせてくれます。
演奏もすばらしく、特に胡弓の音色や節が心に響きました。
三味線方も阿古屋と合わせるべく、とても集中しているのが
よくわかりました。

もっとも感動したのが、最後のさいご、登場人物が見得をきり
緞帳がひかれるまでの間で、それはもう圧巻の美しさ。
実は私の隣に、姉妹で来ているのかなと思わせるお若い、
髪をシルバーに染め黒づくめのレースのワンピを着た
20歳そこそこくらいに見える女性がいて、彼女が最後に
   「……尊い」
とつぶやいたのを聞き、
私も(その通りだ)と。

「尊い」の正しい(?)使い方だ。。。と心から賛同して席を立ったのでした。

玉さまはいつも、「うっとり」を授けてくれます。
まさにバレンタインデーにふさわしい観劇となりました。

コメント一覧

kanagawa_emi
>香子 さんへ
>あら、一日違いでしたね。
そうでしたか! 私、もしかして香子さんとニアミスかな、
なんて思っていました。
そうですよね…私も、最後かもと…演奏も、身のこなしも
ハードですしお衣装も…でも衣装にすら人格があるかの
ごとく、玉さまの阿古屋は完成されていますよね。
香子
あら、一日違いでしたね。
その前日行っていました。
もしかしたらタマさまの阿古屋は これが最後かなと
緊張して拝見しておりました。
3月のニザさまの大星由良之助ももしかしたら最後かな〜とチケ取りしました。
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