歌舞伎観劇レポの予定でしたが、その前に
昨晩、このようなニュースを見まして、ぜひシェアさせていただければと。
「難病ALS新薬、特例投与へ。東京医科歯科大が準備」
全身の筋力が徐々に衰えるALS(筋萎縮性側索硬化症)のうち
SOD1という遺伝子変異によるタイプに対する治療薬が
4月下旬に米国で承認されました。
今回はその同じタイプの日本の患者さんに、
特例で投与し治療および研究に役立てようという主旨で
東京医科歯科大学が動いています。
ご存知の通り、米国で承認されても日本では未承認なので
通常は、治療で用いることはできません。
そして、日本での承認の目途は立っていない状況です。
(米国とは保険制度が違うこともあり、社会保障費の兼ね合いから
そう簡単には承認に至らない事情が…
というのを抜きにしたとしても、動きが遅いのは常なのですが)
そこで、大学病院側が「未承認新規医薬品等を用いた医療提供」という制度の
使用申請をし、それが認められて投与が可能になった、という経緯です。
ただし、原則自費なので、たいへん高額な費用がかかるそう。
私もこの制度は少し前、大腸がんの取材で国がん東病院の医師を取材した折
教えてもらったのですが、もちろん薬の種類により金額は変わるものの
自費になるとこんなにかかるのか・・・!と今回、びっくりしました。
今回、対象となっている患者さんや、その支援者グループでは
寄付も募っているそうです。上の記事内にURLもありますし、
患者さんのフルネームを検索にかけると、サポーターの会のサイトも
出てきます。
(患者さんのYoutube動画も見ましたが、遺伝性とのことで
お父様もALSで亡くなっているとのこと…また進行が早いタイプの
ALSとのことでとにかく時間との闘い…胸が詰まります)
私も少額ながら寄付をしました。
ALSのような進行性の病気に冒された方にとって
予後が良くなる期待のもてる薬があって、適応もあるのに、
チャレンジもさせてもらえないことがどれだけつらいか、よくわかるからです。
こうしたドラッグラグの問題は、がんをはじめいろいろな病気に
存在しますが、
今回は特に、手立てがないに等しいALSという病気に対するものであること、
そして、認知症などと比べて患者数が少なく、薬の開発や承認は
そうスピードをもっては行われないだろうとの予測から、
微力ながら支援したいと思いました。
ALSは若い年代でも起こり得ます。今回の対象患者さんもお若い方です。
年齢で命に差などありようはずもありませんが
未来が長い人ならなおさら、日本の医療の今後のためにも
いい先例をつくりたいと、おこがましいですがそう思います。
医療と経済合理性ってあまり相性が良くなくて
患者が少なく薬の市場が狭いと判断されると製薬会社は参入しにくいし
先日承認された認知症の薬みたいに、保険収載されても薬価が高くて
結局どのくらいの人が恩恵を受けられるのか、社会保障費はどうなるのか
不透明だったりするし、、、ですが
だからこそ、
今回のような、治療と研究両面でいい経過が期待できそうなことには
民間の力で何とかならないかと、そんなことを思っています。
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