神奈川絵美の「えみごのみ」

時勢を鑑みて — 日本の婚礼衣裳展 —

コロナ禍以降、仕事で医師等に取材依頼文を送る際

時勢を鑑みて、(今回はオンラインでの取材を予定しています)」

この文言を、一体何度、使ったことか。



それが、ここでも……?





横浜そごう内 そごう美術館で14日まで開催中の
ジャパニーズ・ウェディング展。

あまりメモをとっていないので、多くは書けないのですが
興味深く思ったのが
展示室最後の方に飾られていた


長野の豪商、田中本家の婚礼衣裳。

私も知らなかったのですが、田中本家は江戸時代に
初代が須坂藩御用達の商人を勤め
酒や煙草、綿、穀物などの商売で、須坂藩を上回る
財をなしたそう。

今も1ヘクタールほどの敷地に20の土蔵、
パンフレットに明記はされていませんが
その中にはきっと、代々伝わるお宝がたくさん…なはず。

展示には、第10代当主で大正4年に婚礼をあげた
田中田鶴さんの打掛がずらり。


個人的には、祝い膳も興味深かったです。

ただ……
須坂では明治に入ってから、豪商をターゲットとした
一揆が起こっていて、
不満を抑えるために

これは実際の展示物ではないのですが
格下となる留袖で婚礼をあげた、とのこと。
もっとも、白、緋(赤)、黒、青とそろっていたそうですが。

祝い膳も地元住民にふるまわれ、
客は総勢1000人になったとか。


こちらは本家代々の婚礼衣裳で、
見にくいですが鶴とか、夫婦円満をあらわす鳳凰など縁起物が
あしらわれています。

こちらは……

江戸時代の武家の婚礼衣裳…なのですが、
これらはお付きの女中のものだそう。
さぞかし“主役”は豪華か、と思いきや、武家はそうでもなくて
むしろ(というか、やっぱり)
商家の方が華やかでした。

話は戻って、田中本家は今は博物館になっているそうで
いつか行ってみたいなあ…
ホームページはコチラです。

今は、維持資金調達にクラウドファンディングを利用しているようで、
これも時代の流れですね。

コメント一覧

kanagawa_emi
まるたけさん、こんにちは!
私も須坂、行ってみたくなりました。
春~秋 開館のようです。
祝い膳、説明ビデオもあったのに、詳細を忘れて
しまって…大皿には、割り切れない奇数のお料理とか、
海老とか(これはよくありますよね)、
お魚料理が結構ありました。
kanagawa_emi
朋百香さん、こんにちは!
そうなんです。白、緋、黒、青…と着たそうですよ。
財力がないと青は割愛^^;のようですが。
田中本家の婚礼も、正確な期間は忘れてしまいましたが
結構長い間、お祝いごとがあったようです。
なんといっても江戸時代は、須坂藩より
お金持ちだったそうですから…!
まるたけ
私も田中本家さん、いつか行ってみたくなりました。雪の中の
お屋敷の佇まいも震えがくるくらい?素敵。
そしてやっぱり祝い膳に釘付けになりますよね。
一品一品の説明を聞きたくなります。
朋百香
絵美さま
ちょっと待ってくださいよ。打掛がずらり・・・って、一回の婚礼ですか?
昔は何日もかけてやったのかしら? この豪華な打掛を数時間着る為に作ったの? ビックリですね! どんだけ豪商なんや?
客が総勢1000人! 下働きの人たちは休む暇もなかったでしょうね〜。
そりゃぁ、一揆も起こるわな。
kanagawa_emi
K@ブラックジャックさん、こんにちは!
婚礼衣裳…白のほかに赤、黒、青とお色直し、というのが
すごいですよね。
一部、写真OKの場所もありましたし、嫁入り道具も少し
展示があって、なかなか良かったです。
都心でこういう企画があるといいですねぇ。
K@ブラックジャック
婚礼衣装素敵~。
打ちかけこんなにあるんですね。近づいて見てみたい。
見に行きたいけど家からはちょっと遠い(´;ω;`)
もうちょっと都内の方でもやってくれると嬉しいのになぁ。
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