どうして今まで、思い至らなかったんだろう。
引越してから"ご近所さん”になったこの場所に
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私の大好きなひとたちがいることに!
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気分転換に自転車を走らせ
(そういえばここにも博物館があったような)と
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立ち寄ってみた学生課の一角。
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地下にひっそりと、出身者の功績や作品が並んでいる
展示室があり、中に入ると……
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えっ、ワタシの大好きな、民藝運動の作家たち。
ハマショー(濱田庄司)、河井寛次郎、そして芹沢けい介。
板谷波山まで!
このそうそうたるメンバーがみな、
東京工業大学の前身、東京高等工業学校の出身者だったとは。
(すぐに東京美術学校に授業が移管された人もいますが)
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日本民藝館をはじめ、ほかの美術館にあれば
もっと多くの人の目に触れるであろう作品たちを、
今、私がひとりじめできている嬉しさと、ちょっと複雑な気分と。
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こちらは板谷波山作のマジョリカ焼きを
復元させたもの。
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この日本的な鳥の絵柄の大皿は
やはり工業大にゆかりのあるワグネルというドイツ人科学者によるもの。
こうしてみると、当時の陶芸と工業は
密接な関係があったのだなあ、と……。
芹沢けい介の作品(カレンダー)は撮影禁止だったので
画像はないのですが
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紙こそ普通のコピー紙で、簡素なつくりですが
中身は実に読み応えのある資料が無料配布されており
もらってきました。
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その中には、彼の工業大学時代の話や
数々の作品紹介、そして
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東工大らしいなあ、と思うのは
こうした、型染技術についてもていねいに解説されていること。
芹沢けい介が東京工業大出身、というのは
すっかり失念していました。
当時、「工業図案科」という学科があり、そこに入学したそう。
しかしほどなく、東工大が旧制大学に昇格するにあたり
なぜかこの科の廃止が条件になったそうで、
大正3年以降は東京美術学校に引き継がれたとのこと。
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こちらはハマショーのパンフレットに
記載されていた年表。
ああ、このあたりの人はみな好きだなあ。
ちなみに、この展示室には
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熱天秤なるものや、昔の電圧計、電流計
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これは、布テープをつくる機械
そして
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ノーベル賞を獲ったタンパク質の
オートファジーの立体モデルも陳列されており
正直、すごいカオス。
東京工大、現東京科学大の守備範囲の広さ(?)を
思い知らされます。
ともあれ、こんなに近い場所に
ハマショーたちがいたなんて
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私がこの場所を、終の棲家(願わくば)に選んだのは
やはり見えない何かの力で引き寄せられた結果なのでしょうか。