神奈川絵美の「えみごのみ」

蛇とインドと、タモリ倶楽部


「織楽浅野さんのトークを聴きに行きましょう」
この日はお若い着物友、K@ブラックジャックさん(以下Kさん)と
銀座でデート。

深まる秋に、満を持して菊の小紋を。
(後ろ姿はいろいろ、難ありですが



彼女と申し合わせて、二人とも織楽浅野さんの帯を締めることに。
私の帯は、七宝のアレンジ。
帯締めは、この着物に合わせてきねやさんに選んでいただいた
オレンジと薄い緑に色分けされた畝打ち。


一方、Kさんの帯は…

通称「タモリ倶楽部」。
(ピンとこない方は、ネットで画像検索を)
彼女が自身のブログで初めてこの帯を紹介した際、
友達に「似てる!」と言われ
「それ以来、タモリ倶楽部にしか見えなくなりました」と……


---------------


トークの場所は銀座もとじさん。



お店のスタッフさんも織楽浅野の帯で、
3人「そろい踏み」。

Kさんの帯留めは、自分でデザインしたウサギのバックシャン。
真ん中がスタッフさんの帯。シンプルだけどキュートな花モチーフ。



会場では、約2年ぶりに着物友と会ったり、
織姫・吉田美保子さんともばったり。
彼女とは夏以来かな。「久しぶりー」と思わず手を取り合って。
織楽浅野代表・浅野裕尚さんにも入っていただき、
Kさん、吉田さんと4人で記念撮影


さて、この写真の後ろにかかっているタペストリーは……

200年以上前にインドで織られたとされているもの。
部屋を暗くして、後ろから光を当てると
まるでステンドグラスのような輝きを見せる。

浅野さんのインド旅行は、もともと染織を見るのが目的だった。
しかし、アーメダバードという街でのある出合いにより
デザインのインスピレーションを受けることになったそう。


それは……




井戸。
ビル4階分に相当する深さの巨大井戸だ。
しかも、ただ穴を掘っただけではなく、写真右のように
とても繊細な文様が施されている。


そのバックグラウンドには宗教がある、と浅野さん。
イスラム教(写真左)、ジャイナ教(右)など
インドは多民族ゆえ、宗教も多彩だが、いずれも印象的なのはその造形だ。
これが浅野さんいわく「デザインの宝庫」。
(ただし、建造物の精神性はたいへん深いところにあり、
単純に「真似をすればよい」というものではないとおっしゃっていました)


そして、もう一つ……

インドの「色」。
日本では浮いてしまいそうな、カラフルさ。
ムンバイの繁華街には
ヨーロッパも顔負けのポップでハイセンスなブティックが立ち並び、
若い女性は伝統的なサリーを着ず、欧米のオシャレを楽しんでいるとか。

(余談ですが、毒蛇使いは法律で禁止されているとのことで、
写真左の「コブラ」は毒を抜かれているそう。)


インドで「計り知れない刺激を受けた」と浅野さん。
今回の新作帯は、絞りの裂や手刺繡を織で再現したものや、
アールデコ感覚をポップに表した若々しいデザインのもの、
ニュアンスのある地紋入りの生地に、銀の濃淡で唐草風の模様を描いた
端正な表情の染帯など、新感覚の逸品ぞろい。
トークが終わった途端、お客さんが作品に殺到し、あっという間に
壁から外され……の人気ぶりでした。
織楽浅野さんの作品は以前のものも含めコチラでご覧いただけます。
(銀座もとじ ネットショップ内)



Kさんとはその後、六本木のawaiにもご一緒し、
来年の干支「巳」をあしらった新作の博多帯を見せていただきました。
2013年はもうそこまで……。

いつも元気印のKさん、楽しかったです。ありがとう

コメント一覧

神奈川絵美
朋百香さんへ
こんにちは そうなんですよねー危険です(笑)。
かなり久し振りに伺いました。

インドといえばビンロウでしたっけ、赤い実を連想します。
(余談ですが口腔がんのリスク要因の一つとか)
鮮やかな色、そして細かいモチーフ、エスニックなイメージ。現代の着物シーンに似合いそうに思います。

この七宝帯、主張はあまりないのですが、人さまに好印象を与える「安心できる」帯だと思っています
朋百香
http://www.tomoko-358.com
絵美さま
もとじさん、近寄るのは危険です(笑)
でも惹かれるイベント、いろいろありますよね。

なる程、インド。 確かにインドの布は刺激的、
そこからインスピレーションを受けて織られた布、
その他新しい感覚の帯、ぜひ拝見したいものです。

絵美さんの帯、どんな色のきものでもOKな
お利口帯ですね~。品があって格もあって素敵です。
神奈川絵美
りらさんへ
コメントありがとうございます
着物の地色、結構気に入っています。ミルクティーみたいな、あまりくすんでいないベージュ系は、私の肌色に合っているような。

羽織紐は2本しか持ってなくて
これから増やしていきたいでーす。

老舗が伝統的な意匠を守ることも、意義があるとは思いますが、こうして新しい提案をしてくださる織屋さんの存在は、私たちにとって、表面的なブランド志向などの固定概念を打ち破り、感性を深めるいい刺激になりますよね。
りら
ホント!お着物と帯の合い方が絶妙ですねぇ。
秋から冬にかけての感じとホッとする暖かさがあって、素敵です。
お顔が入った画像で判る、羽織紐の差し色も映えますねぇ。

こんな風に着物の世界をまた一歩新しくしていこうと頑張ってらっしゃる方がいらっしゃるというのも、嬉しいことですねぇ。
神奈川絵美
風子さんへ
こんにちは
まったく同感です。浅野さんの帯は「自分だけが目立とう」とはしませんよね。手持ちの着物に新しい表情を加えてくれるように思います。
“定番”をつくらず、毎年毎年、それまでとはコンセプトの違う作品を生み出すところもすごいな、と思っています。
この日は、(当然ながら)織楽浅野の帯を締めたお客さんがとても多くて、浅野さんもとても嬉しそうにしていました。
風子
http://fuko346.exblog.jp/
こんにちは♪
織楽浅野さんの帯は、どうだ!じゃなくて 存在感が
あり、きものをやさしくグレードアップしてくれる、数少ない織屋さんだなあって思っています。
お話 お聞きしたかったです。

絵美さんはじめ みなさん 上手に帯を生かして
きものを着ていらっしゃいますね。
きっと浅野さんも喜ばれたのではないでしょうか。
神奈川絵美
とうこさんへ
こんにちは
いつかご一緒しましょう~

この菊の小紋には、黒っぽい帯の方がメリハリがついて
私はお気に入りなのですが、
白っぽくてもそれなりに、いい感じですね。
とうこ
きゃあ、ご一緒したかったです。

もうひとタイミング
菊の小紋の地色と帯が優しくマッチしていて、すごく上品な感じです。

神奈川絵美
K@ブラックジャックさんへ
こちらこそありがとう。今回も楽しかったです

サリーの布のサンプル集、そしてマイタケのおにぎり、浅野さんの帯の素晴らしさはもちろんですが、いろいろ目に耳に、刺激を受けた一日でしたね。

「浅野シスターズ」ご担当さんも含め3人そろって嬉しかったです
またご一緒しましょうね。

K@ブラックジャック
いやー楽しかったです
土曜日はありがとうございました。
とても楽しかった&お腹いっぱいでした(笑)
コストパフォーマンス良過ぎのランチでした。

浅野さんから見たらインドはモチーフの宝庫ですよね。
沢山のモチーフや色使いで宝の山を見ている感じだったのではと思います。
今後の作品にも沢山反映されて来るんだろうなぁと楽しみです。

またご一緒させてくださいね~
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「美術展・工芸展レポート」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事