幕間で紹介された緞帳の一張り、「夕顔図」。
安土桃山時代の絵を元図に、織られたそう。
夕方に咲く白い花と、たわわに下がった実(瓢箪と同一種)が、
夏の風情を醸し出す。
土曜日の歌舞伎座。
気軽な席にも着物姿がたくさんで、開演前からワクワクと、眼の保養に
しかも絽などの柔らかものをお召しで、御髪もキレイに整えた方が
多かったです。着物ってやはり華がありますね。
演目は「通し狂言 加賀見山再岩藤」。
岩藤とは、とある藩(題名通り、加賀をモデルにしたといわれている)の
局の名前で、かつてお家乗っ取りを企んだものの、忠義篤い召使に討たれ、
野ざらしにされた、という経緯がある。
その捨て置かれた骨が、暗転した舞台の中、繋ぎ合わさって
人の形になり、岩藤の亡霊が現れるという場面が大きな見せ場の一つ。
何でも、澤瀉屋さんの上演が有名で、
今回チケットを譲ってくださった友達いわく
「(旧)亀治郎さん演じる岩藤はケレン味があって……」
とのことだったが(そして、歌舞伎ビギナーの私にもそれは比較的容易に
想像できたが)、
今回は花形歌舞伎。松緑さん演じる岩藤はあまり毒々しくなく、
丁寧だなーという印象を受けた。
個人的に文句なしの見どころは、中村壱太郎さん演じる梅の方。
(舞台となる藩の正室)
出番は短かったが、とにかく美しくて、
私はオペラグラスが手放せなかった
菊之助さんも二役で出ていて、もちろんキレイだったけれど、
今回ばかりは、“薄幸さ”や“頼りなさ”がにじみ出ていた壱太郎さんに
心を持っていかれた。
この演目、染五郎さんやらぶりんも出ていて、
また、中村松江さんの長男、玉太郎くんが盲目の子役を長丁場、見事に
演じ切るなど、花形の名に相応しい顔ぶれでしたが、
舞台そのものは、やや淡々と進んでいった感がありました。
松緑さんがいい人過ぎるのかなー。
機会あれば、澤瀉屋さんの岩藤も観てみたいな。
※加賀見山再岩藤の見所やあらすじはコチラを参考に。
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