桑原名誉顧問からの投稿
ベンチャー企業を増やすことが課題 (2017年5月2日)
異業種を含めた競争激化やAI(人工知能)などの新技術が急速に進化する今日、自社内だけの力では限界があり、ベンチャー企業を買収したり出資を増やす動きが広まっている。2016年の出資などを含めたM&A(合併・買収)は12年に比べて件数で6倍、金額で3倍に増えた。
ベンチャー側も大企業の営業力やブランド力を使い、成長を加速できるメリットがある。しかしながらわが国には魅力あるベンチャー企業が少ない。日本国内ベンチャーキャピタルの15年度の投資額は1300億円と米国の50分の1以下、開業率も5%前後で米英の10%程度に比べて半分だ。加えて、起業活動が活発でない要因として起業に対する社会の認知度が低いこと、起業に必要な知識、能力、経験が不足しているという。その結果20歳代での起業が米国よりも極端に少ない。
こうした現況を改善するのに役立つよう、政府は大学のベンチャー株保有を解禁する方針を決めた。これまで大学発ベンチャーを立ち上げた場合、株式公開後の即時売却が定められていた。これを一定期間保有出来るようにすれば、ベンチャーからの利益を施設の増強や新たな研究に充当する好循環が生まれる。産学連携の研究開発もしやすくなり、結果としてベンチャー企業も増加するという算段である。
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