小さい頃から、両親が共働きの我が家では、今のようなおやつの時間など
ありませんでした・・。
いつも家にあったのは、りんごくらいだった気もしています
それでも、回りがみんなそれが当たり前の時代だったから
おなかをすかせながら、母親が帰ってくるのを、待っている・・
そんな「三丁目」の世界のような毎日でした・・
ある時、小学校に転校生が来て、何故か私一人がその子の家に
遊びに行く事になりました。
お下げ髪のちょっとふっくらした女の子の家には
ニコニコ笑うお母さんが、出迎えてくれて、ちょっとだけ人見知りのある
私は、何となくおどおどしながら、家に入ったのを記憶しています。
子供心に我が家とは全く違う、お金持ちの家・・という印象に
何だか圧迫感受けながら、ソファーに座っていたことを覚えています
そしてその時お母さんが持ってきてくれたのが、「2段重ねのホットケーキ」
おやつにホットケーキが出てきたことも驚きなのに、それが2段重ねなのが
まるで、テレビのコマーシャルそのままで、声も出ないくらいに
驚いたことを覚えています
今朝の娘の朝ごはんは、ホットケーキ
娘は、食べにくいから、重ねないでと言われるけれど
時間のあるとき、私はいつも2段重ねにして、テーブルに出します・・
そして40年も前に、この光景に声も出ないくらいに驚いた自分を
思い出しては、ちょっとだけ心がキュンとなる・・。
何も無い事が当たり前だったあの日・・・
それでも、みんなの心の中は、優しさやあたたかさでいっぱいだった
物で溢れている今、回りに何でもあることが当たり前の日々
みんなの心の中はどうなのだろう・・・
優しさや、あたたかさでいっぱいなのかな・・・
いっぱいであって欲しい・・
娘が残したホットケーキをつまみながら、遠い昔のセピア色の思い出が
ふと浮かんできてしまいました