マック寄席

昨年のタイガー＆ドラゴンなどをきっかけとした落語ブームが続いている。今まで、絶滅寸前とまで言われていたのが嘘のようである。

　そうは言っても、小朝あたりははっきりと「これは一過性のブーム」と言い切っており、本当の意味でのコアが固まったというところまではいかないようだ。
　何しろ、定席と言われる毎日やっている寄席が、都内でわずかに４席では若手の出番も知れたもので、なかなか大変な状況に変わりはない。

　そんな中、最近ではちょっとしたスペースでこれまで落語と縁のなかった世代を取り込み、新たなファン層を開拓しようという動きが出ているようだ。
　まずは、かの東京駅の丸ビルである。１階中央のカフェでは、０４年６月から「丸の内落語会」が開かれている。上演は先月までに計１４回という。

　きっかけは、０４年１月に霞が関から丸の内に移転してきた文部科学省が地元企業などと始めた「丸の内元気文化プロジェクト」。
　ビジネス街・丸の内から文化を発信し、近くで働く人たちに気軽に親しんでもらおうということらしい。まあ、この手のものをお上がやるのは・・・であるが（汗）

　さらに最近は、落語会の定番だったそば屋や居酒屋、すし屋などに加え、バーやハンバーガーショップなど一見、落語とは不似合いな場所での会が目立つという。
　「江古田マック寄席」は、若手が落語を演じる機会が少ないことを知ったマクドナルド江古田店のオーナーの主催だ。

　こちらも１ドリンク付きの「木戸銭」が１０００円。客はハンバーガーで腹ごしらえをしてから落語を楽しむ趣向という。マック寄席・・・来てるなあ(汗)
　別のところではＪＡＺＺハウスでの落語会もあるという。もはや、こうなると座れさえすれば・・・ってノリかも知れない。

　もっとも、古今亭志ん五によれば、「以前は落語会を開きたくてもどこに声をかければよいかもわからなかった。最近は落語家自身がインターネットで情報を発信するようになったので、気軽に呼んでもらえるようになったのではないでしょうか。落語家はどこへでもうかがいますよ」と。

　すると今後はヨガ教室での落語会なんてのも・・・ないかなあ（苦笑）