
以前の記事で、日本のいわゆるグリーン化税制のおかしさについて記事にしたことがある。もう一度整理して再掲載しておくと・・・
「長期間経過した車は環境負荷が大きいため、重課税をかける」というのが基本。そして、その基本は11年目からが本則だ(実質ディーゼル車のみ)。
ところが、ガソリン車が圧倒的に多いことに鑑みガソリン車およびLPG車は13年目から。そしてEVとハイブリッド車はいつまでも重課にならない。
これのどこがおかしいの? と思う人は少なくないだろう。この税制の前提は古い車は環境負荷が大きいというのと、ハイブリッドやEVはエコだという思想のもとにできている。
ではハイブリッドは本当にエコなのだろうか・・・という視点で書かれた記事が目に留まった。こちらである。
まずほとんどの人が、ハイブリッド=低燃費=エコという流れが頭に浮かぶはずだ。ところが今では、そんな単純な計算でものは語れないのが世界の常識だ。
それがWell-to-wheelという考え方。井戸から車輪へ、という意味で、エネルギーが採取されて実際に動力になるまでの全体の効率を加味した燃費のことだ。
さらにこれを1km走行当たりのCO2排出量で現すのが一般的だ。するといわゆる燃費の議論とは別の姿が浮かび上がってくる。
この計算では油田から採取した原油をタンカーで日本に運び、ガソリンに精製してタンクローリーでガソリンスタンドへというプロセスも計算に入る。
いろんな計算の結果、ハイブリッドカーは30%ほど、ガソリンエンジン車よりもCO2の排出量が少なくなるというのが一般的だそうな。
ほら、やっぱりハイブリッドの方がエコじゃないかって言われそうだが、問題はクルマが生産されるときに使用するエネルギーの大きな差とか廃棄されるときの環境負荷だ。
Well-to-wheelにこの要素を加味したものがライフサイクルアセスメントといい、これで再度計算してみると・・・
現在の時点ではノーマルガソリン車とEVは同等のCO2排出量であると言われていて、エンジンとモーター・バッテリーを積むハイブリッドはそれより劣ると・・・
さらに記事ではハイブリッドの燃費の良さに指摘している。そもそもハイブリッドカーのほとんどは、燃料をケチることで燃費データを稼いでいる。
その結果、引き起こされる渋滞、交通の流れの悪化は確実に存在しているので、他人の燃費を悪化させることになります。これではエコカーというより、自分さえ良ければOKというエゴカーだと。
ついでに根っこに戻れば、車を製造すること自体の環境への負荷を考えれば、一つの車に長く乗ることは、ライフサイクルアセスメント上はいいことだ。
つまり長い間、同じ車に乗ることは環境への負荷が大きくなるなんて理屈はそもそもおかしいのだ。だからドイツでは長く乗った車は税金は軽減されているという。
それと正反対の税制の日本では、相変わらず・・・車を買い替えてハイブリッドにすることがエコだと・・・
ただ、この国の多くの国民がそれを盲目的に信じていることの方が問題だと思うのだが・・・
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます