アモーレ・カンターレ・マンジャーレ

自称イタリア人のオヤジが、好きなサッカーやらグルメやら、何でも不定期に気まぐれに書き綴るサイトです。

大銀座落語祭PART2

2007-07-17 06:34:29 | つれづれ
さて、昼の部がはねたのが15:30、ご存知の方も多いと思うが、大銀座落語祭というのはお昼の部、夜の部合わせていったいいくつの口演があるんだというくらいに、銀座のあちこちで大小のホールを借り切っている。

 そして、夜の部はニューメルサに近いコマツアミューゼという小さな会場だったが、開演が18:00ということで、早めの夕食をしたが、それでも時間がある。
 その間、ヤマノ楽器店の上のホールで若手のタダの落語を聴く。小三治の弟子が三人続けてやっていたが、時間の関係で二名で失礼した。


 だが、予想に反してこの二名がよかった。特にちりとてちんをやった柳家禽太夫が、キレ味のいい噺で面白かった。ちょっと故志ん朝に口調など似ている感じだったが・・・
 そしていよいよ夜の部に移動である。こちらでは、東西の親子のリレー落語ということで、小生大好きな子別れを圓窓・窓輝の親子で演るといえば行かずばなるまい。

 まずは前座柳亭市朗が道具屋で小手調べ、まあ・・・頑張ってほしい・・・でも前回の立川メンソーレよりはよかったぞ。
 で、早速子別れの序、三遊亭窓輝だ。別名「強飯の女郎買い」という取り立ててメリハリのない噺だが、正直これはつらかった。

 噺の作りこみも甘いし、口がゆがむ癖が気になるし・・・とバテかかったところでキッチリまとめてくれたのが、親父であり師匠の圓窓だった。
 正直予想をはるかに超えるデキ(失礼ながら)で、涙が止まらなかった。いやあ、小生学生の頃は、いささか理屈が先に出て、圓生の悪いところだけを真似してるかと思ったが、いい噺家になっていることに感激である。

 子供と親方・母親の演じ分けもしっかりしていて、感情が伝わってきた。マクラで談志の二ツ目の頃のことを言っていたが、当時の談志と圓楽、それに志ん朝の上手さときたらマニアの語り草である
 それがいずれも現在は・・・となっている今、マスコミには出ていないが、コツコツと積み上げてきた圓窓の円熟ぶりに感心してしまった

 今更ながら、噺家は死ぬまでが勝負で、その時点で精算されるんだなあと・・・そう見れば、息子の窓輝もまだ二ツ目、今評価してはいけない、そう思った。
 そうして感激もさめないまま、今度は上方の親子、桂福団治と福若で「南京屋政談」だ。江戸では唐茄子屋政談だが、向こうは南京屋になる。

 最初に笑福亭扇平が子ほめで前座、ついで福団治が南京屋の前に頭ふり。これが洒脱でまことに面白い。歳とったらこういう話のしかたもあるなあと・・・
 さて、まずは福若だ・・・だが・・・これは江戸前の噺が好きな小生にはつらすぎだった。形も美しくないし、熱は感じたが・・・

 なんとなく懐石料理を食べに行ったら、コテコテの満漢全席を出されたような気分だ。だが、ここでもしっかり〆てくれたのが福団治だった。
 やはりここでも噺家の完成には時間がかかる・・・そんな印象をもった夜だった。

 それにしても、この会場約120名入り、チケットが1000円、ほとんど会場費で消えてないかここ。
 このイベントが落語界へ寄与するところを再度認識させられてしまう、その意味でも貴重な体験であった。いいじゃないか六人の会。
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2 コメント

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いつの世も (すぽっと)
2007-07-19 23:32:50
子(弟子)は親(師匠)を越えられないのだそうで。。。
って事は親(師匠)も常に磨かれて進歩し続けているって事ですよね。

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うっ・・・ ()
2007-07-20 06:53:54
一番弟子のすぽっとさんにそう言われたら・・・頑張らないと・・・無理だよ。小生の辞書には頑張るという言葉が・・・
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