小生の故郷の東伊豆では、一足早く春を迎える。大寒の1月20日にスタートしたのが、稲取の「雛のつるし飾りまつり」である。
この時期だと年の瀬から年越しの時期に爪木崎の水仙まつりがあり、それから「雛のつるし飾りまつり」と「河津桜まつり」が続く形だ。
俗に日本三大吊るし飾りのひとつとされているが、小生がガキの頃は、当たり前の風習であり、それが何? 状態であった。
記憶が確かならば、河津桜まつりが話題になり、東京から日帰りでのツアーが盛んになるにつけ、セットのイベントとして盛り上がってきた印象がある。
とはいえ、地方のご多聞にもれず、高齢化とシャッター商店街化が進んでいる中では、とりあえず、多くのお客様に来ていただきたいものである。
少し前から始まったのが、地元の素戔嗚神社の118段ある石段に雛を並べるもの。以前の記事でも紹介している。毎日朝、人手で並べるが、その脇につるし飾りが並ぶのとあいまって、なかなか壮観である。
トップ写真はミスつるし飾りの面々、実家に帰ってもあまりお会いする機会もないが・・・(←あったらおかしい)
俗につるし雛と言われているが、正式には「雛のつるし飾り」という。
稲取では、雛壇の両脇に雛のつるし飾りを飾って、子供の成長を願う独特の風習があり、稲取に古くから伝わっている桃の節句の伝統行事である。この雛のつるし飾りは、江戸時代後期にはじまったとされていて、全国各地の元祖とも言われているそうな。
ご案内のとおり、いろんな飾りには意味があり、巾着(お金に困らないように)・花(花のように可愛らしく)・さる(厄がさる)などなど、ひとつひとつに意味が込められている。
稲取らしく、キンメの飾りもあったりする。まつりの会場では、「つるし飾り制作体験教室」を行っている。
小生の自宅には亡母が愚娘に作ってくれた手作りのつるし飾りがあり、今でもしっかりひな祭りの時期には飾っている。
さらには母が自分のために作ってあったものもあり、それはまた次世代に引き継ぐ形になっている。
新しモノ好きの小生ではあるが、その一方でこうした伝統的なものも好きなわけで、こうした心の伝承は温かい気持ちになってくる。
観光という点では、どんなものかという気もするが、とはいえ読者の皆様も機会があれば一度足をお運びいただければと・・・
一足早い春を実感できることは請け合いである。
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