アモーレ・カンターレ・マンジャーレ

自称イタリア人のオヤジが、好きなサッカーやらグルメやら、何でも不定期に気まぐれに書き綴るサイトです。

江戸の人情と涙 さん喬と花緑

2013-03-24 06:00:06 | 落語
江戸東京博物館が開設されて今年で20周年になるという。それを記念して「江戸の人情と涙」と題する落語会が行われたので出かけてきた。


 この会は、江戸の長屋の暮らしにスポットを当て、当時を味わってもらおうという趣向。まずはアナウンサー葛西聖司氏が軽妙な語り口で、解説を・・・
 そして、まずは開口一番、花緑の弟子の緑太が登場。「やかん」でスタート。花緑の弟子って、失礼ながら・・・というのが多いが、久しぶりに期待できそうな感じ。

 そしてさん喬の登場だ。テーマに沿って、長屋にまつわる人情噺「唐茄子屋政談」を始める。さん喬のこの噺は、これまでも何度か聞いたことがある。
 真夏という季節からすれば、ちょっとずれるが、そこはそれさん喬のしっかりとした描写で違和感は感じない。場内を完璧に引き込むところはさすがである。

 ここで中入りが入り、再び葛西聖司氏の解説から後半戦。だが、さすが元NHKのアナウンサー。噺の味わいを深めてくれる感じがよい。
 まずは太神楽がヒザに入り、そして花緑が登場。これまたテーマに沿って「文七元結」を始めた。花緑の文七って初めてだ・・・


 マクラも振らずにスーッと入ったが・・・うん、変な重々しさはない。佐野槌の女将さんはキリッとしていい感じだ。
 吾妻橋のくだりも、しつこすぎず、軽すぎずで、個人的にはちょうどいい感じだが・・・これまで聞いた文七とどこか違う・・・と思ったところで気付いた。

 セリフが今っぽいのだ。そう、花緑がこだわる「今の人が聞いて違和感のない会話」に近いのだ。だから、いわゆるきれいな江戸言葉ではない。
 先代の柳朝あたりだと眉をひそめるかな・・・ってくらいだが、個人的にはこれはこれでいいチャレンジだと思う。

 もちろん、噺の本質を崩しているわけではないので、満足して楽しめたんだが・・・というところで思った。
 江戸っ子って、見栄っぱりで、情け深くて、自分のことより他人のこと・・・で損ばかりしている。ちょうど寅さんの銅像のところの山田洋次監督のセリフを思い出した。

 そんな江戸っ子が、今の東京の人たちの行動みてたらなんと思うんだろうか。現実逃避してもいい・・・江戸の人の心意気にひたりたいなあ・・・と。
 やはり、日本人は退化しているような気がしてきた・・・
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