以前から車ネタでMercedesなどを中心に取り上げているが、冷やかし半分でMercedesのお店に行ったときのこと、担当の方がつぶやいた「この国ではトヨタが政治ですから」という言葉は、小生の心に深くしみこんでいる。
過去の記事でも取り上げたが、グリーン税制などでもトヨタ車が有利になるように設定されているとしか思えない仕組みになっている。
たとえば、ガソリンハイブリッドは何年経っても減税なのに、ディーゼルハイブリッドは減税対象でなかったりする。しかもなぜかハイブリッドと電気自動車は同じ扱いだ・・・など。
実際のところ、国内ではトヨタが圧倒的シェアをもっていて、さらにいえばトヨタの技術は世界トップレベルとかハイブリッドを代表とするエコカーの技術は日本が世界のトップなんて思っている日本人が少なくないはず。実は世界的な常識ではハイブリッドはエコカーではないのだが・・・(汗)
確かに世界的な企業ではあるが、国産車でもトヨタが技術面でもトップなの? と。
そんなことを思ったのが、この記事を読んだときのことだ。「スバル"究極の車"が日本人にウケなかった理由」とある。
それがスバル1000だが、自動車評論家やマニアの間では、きわめて高く評価されたにもかかわらず、わずか5年で販売中止になったモデルである。
サイズ的には大衆車(このことばも今では死語だが・・・)で、カローラやサニーなどと競合するもの。
ただ、圧倒的なのはその中身。水平対向エンジンにインボードブレーキやデュアルラジエーターシステムを搭載した国産初のFF車だった。
当然、室内はクラスを超えた広さを実現、性能がよくて室内が広い・・・ならば売れてもよさそうだったが、価格の高さがネックになった。
が・・・それ以上にネックになったのが、みんなが乗っている車ではない・・ということだった。
記事を引用すると、「モータリゼーションの時代のユーザーが欲しいクルマとは、性能が飛び抜けたものではなく、『売れている車』だった。」
通俗的ではあっても、横並びではあっても、安心感があった。「みんなと一緒」だからこそ売れたというところに、日本人の日本人たるゆえんがある。
そして決定的なところは、トヨタや日産と比べてスバルは営業力が弱い・・・という厳然たる事実がある。
つまりトヨタがトップなのは、優れた車だからではなく、販売力があるからだ。小生がガキの頃に、スバルは尾崎紀世彦をCMに起用してレオーネという車を出した。これがスバル1000の後継車だった。
ガキ心にこれっていい車か? なんて思ったが、このモデルもステーションワゴンやフルタイム4WDのハシリではあった。
皮肉な話だが、後にスバルが一世を風靡したのは、4WDのステーションワゴンのレガシーをリリースしたときだった。この車はバブルの頃にゲレンデエクスプレスとして大ヒットしたことは、オヤジ世代には懐かしい。だが、こうなるとレガシーという車名が皮肉に聞こえてくる。
その先祖がレオーネだったわけだが・・・国内よりもむしろ海外で評価される会社、それがスバルなのかも知れない。
っていうか、評価されないのは日本人が日本人だからなのかも知れない。
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