さて、ちらっとニュースで見た話によれば、どこかの国の首相は、夏休みのほかに子供と遊びにいける休みを作り、そこにお父さんたちは公休を充当して・・・なんてことを検討するという。
一言で言えば「アホくさ」だ。鳴り物入りで始まったプレミアムフライデーが、宣伝ために使ったお金に対し、ほとんど盛り上がっていない現状で、またぞろ消費を増やしてもらおうという、くだらん猿知恵でしかない。
まあ、全自動忖度機が張り巡らされている今、実施されるんだろうが・・・
その結果、夏休みが短くなり、その削った分が別の休みになる。ただ、観光などに従事する業界をはじめ、休めない方々には何の意味もない。
また休ませられる方は、(なかば強制的に)公休を消化させられる。その結果、公休消化が増えるので、政府はきっとこう言うぞ。「働き方改革が成果を挙げている証拠だ」と・・・ああ、なんてばからしい。
そんなことを政府が血眼になってやることよりも・・・と感じたことが、立て続けにNHKで取り上げられていた。
まずはトップ写真の「Fisherman call」だ。何かと言うと、その名の通り。リアルに漁師さんが朝が苦手な人のために、モーニングコールを掛けてくれるというもの。
しかも無料というが、これは、こうした取り組みを通じて漁業への興味や理解を高めてもらうことが目的という。
人気が高く、抽選待ちというが・・・直接的なサービスでなく、まわりまわってというところに好感がもてる。この人たちの取り組みは、自分たちというより、漁業全体への効果になりそうな・・・さわやかだぞ。
続いて、山梨県のとある中堅企業の取り組みで、企業内に託児所を作ったもの。ここまではよくあるが、ここの保育スタッフは正社員で、所属も別にあるという。
そのため、預けられている子供たちのお母さんの部署が今忙しいとかもつぶさにわかるだけでなく、コミュニケーションも含め、キメの細かい対応が可能と。
すごいと思ったのは、子供の具合が悪いかも・・・という情報をお母さんだけでなく、まず上司に連携するところ。
これを受けた上司は、早退の指示やシフト調整を行うので、お母さんも早く帰りやすいというもの。さらに、休みが長期になりそうとなれば、生産調整まで織り込むという。
社員としても、安心して働けるという声もあったし、出産後の復職も100%という。社長さんの話によれば、本気で定年までまっとうしてほしいという空気が伝わってきた。
素晴らしい・・・これが本物の働き方改革だ。月間の残業時間の上限を100時間未満とするかどうかみたいな、本質論とは遠く離れた付け焼刃の議論とは真逆の取り組みだ。
そして、最後はこちらの女性・・・徳島県の内陸部、大歩危峡の近くでドライブインやホテル、遊覧船を営む会社の奥さんだ。大平昌代さんという。
実はこのスポット、日本よりも台湾の方々に大人気という。その理由は、とにかく彼女が熱烈に台湾のお客様を歓迎してくれるためだ。
聞くと、東日本大震災のときに台湾の方々が多くの義援金をこちらに預託してくれたことに感動し、恩返しにと始めたという。
独学で台湾語も習い、キメ細かく対応しているほか、見送りもほんとに心のこもったものの様子だった。
ただ、さらに・・・すごいと思ったのは、台湾だけでなく、このドライブインを訪れる外国の方々の旗がすべてそろっていたこと。
バルト三国やアゼルバイジャンなど、比較的訪日客が多くないような国も含め、100ヵ国以上あるということであったが、一度でも接点のあったお客様に誠意をもって接していることがよくわかった。
この奥さんの人柄といえばそれまで。根っこは売上げを上げるため・・・といえばそれまで。だが、ものが売れない時代にどうやって成果を挙げていくかのヒントがここにあるような・・・
大歩危に行ってみたくなったことは言うまでもない・・・
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