主人公志村けんの死去により、大幅に紆余曲折のあった話題作「キネマの神様」を見に行ってきた。
監督は寅さんでおなじみの山田洋次となれば・・・で見事な昭和ワールドの世界だった。
ネタバレギリギリで攻めれば、テレビなどのCMでも想像できるように、主人公の若き頃を演ずるのが菅田将暉、その妻の若い頃が永野芽郁。
そして現在の夫婦は沢田研二と宮本信子という・・・
元々は志村けんが演ずる予定だったところを沢田研二が後を継いだ形だが・・・最初は全然違うタイプだろ・・・って思っていたが、見ているうちにけっこういいじゃんとも。
ただ、願わくば志村けんで見てみたかったなあ・・・とも。いつか、部分でもいいから志村けんバージョンを見てみたいものだ。
ストーリーはこの二人の若い頃と、今をいったり来たりの流れで進む。昭和まる出しのダメオヤジ・・・いやダメ老人がここに至るまでどんな経緯があったのか、ストーリーから見えるもの、そしてまったく見えないものなどなど・・・
そしてこの二人と交わる小林稔侍・・・若き頃は野田洋次郎。
さらに志村けんの死去に伴い、おそらくは若干のストーリー変更をしたであろうコロナ禍の取り扱いなども・・・
さて、ストーリーをトレースしていくとネタバレになるので、この辺にしておいて、役者についての感想を・・・
まずは永野芽郁だ。朝ドラ「半分青い」でブレークし、その後CMなどへの露出も増えている。健康的な明るいお嬢さんのイメージだが・・・
結論から言えば、昭和感をよく出せていたなあと・・・けっこうこういうのもイケルんじゃないかって。
そして菅田将暉だが、まあ今売れまくっているし、無難にこなしている感じか・・・野田洋次郎からの小林稔侍はこの映画のキーパーソンとして渋い輝きを放っていた。
輝きといえば、忘れていけないのが北川景子だ。相変わらずいい女だ・・・芝居が上手いか下手かより、その華やかな存在感で勝負できる数少ない女優と言うべきか。
だが、期待していたとはいえ、それ以上だったのは宮本信子だ。朝ドラ「ひよっこ」では、なんともいえない存在感だったが、この映画でもしっかり宮本信子ワールドを魅せてくれた。素晴らしい女優さんである。
ジュリーは・・・頑張って志村けんらしさを見せてくれた。
だが、やはり本来のこの主人公に関しては志村けんがやってくれていれば・・・もし撮影終了まで大丈夫で、その後お亡くなりになっていたら・・・
あまりいい想定ではないが、文字通り伝説になっていたかも知れないなあと・・・ともあれ、多くの方にお勧めできる作品だったと感じた。
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