今年は落語協会100周年、その記念すべき年の春に真打昇進となったのが、三遊亭わん丈と林家つる子だ。ともに抜擢での真打ということで話題になっている。
誤解を避けずに個人の感想だけ言えば、つる子は同じ女流で真打になった桃花とか、小生ひいきの扇橋などが普通に昇進したのと比べて、そんなに優れているのか? と。
そしてわん丈だが、前座の頃から光ってはいた。だが何十人も抜くほどの・・・なんてネガティブな感覚ももった。
とはいえ、少なくともわん丈とは多少のご縁もあり、真打披露興行に行こうということに・・・会場は小生にとって地元の池袋だ。
開場直後に到着するとすでに立ち見が・・・幸い事前購入していたので席には座れた。せっかくなので、何名か記事にあげておく。
この日はメンバーもそれなりに充実していて、真打披露口上に上がったメンバーの三三は「つる」、師匠筋の天どんは新作で演目がわからなかった。
市馬が「七段目」・・・いつものようにすばらしい出来栄え。このネタで15分でまとめるのはさすがだ。
さらにつる子が新作・・・やはり口に合わない。だが、続いて菊之丞が「親子酒」。これはいかにもな出来で、酔っ払いの心情をよくだしていた。
さらにさん喬の「真田小蔵」。いつもながらお人柄のよくにじむ芸だ。そしてヒザが橘之助で・・・いつもながら魅力的な人だ。
さていよいよわん丈の登場だ。まったりとマクラで語りながら、始めたのが「付き馬」だった。
わん丈は円丈の最後の弟子で、師匠と違い古典をしっかりやる。もっとも円丈も二ツ目まで古典をやっていた。
語り口は当然しっかりしている。展開も悪くない・・・だが・・・あえて辛口に書くと、主人公が詐欺師に見えない。
このネタは実際にはありえないくらい、口先三寸で勝負するええ加減な男が主人公。彼がいい人のせいか、そんな悪人には見えない。
比較してもどうかと思うが、菊之丞のそれが秀逸だっただけに、さらなる成長を期待したいところだ。
13時開演で17時過ぎに終了、池袋の椅子で4時間は苦行であった。
池袋のお店で同行の仲間と軽くやって帰路についた。
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