毎年、この時期に公演されている柊プロジェクトのステージに今年も出掛けてきた。
このグループのステージは、語り部2人の語りに乗せてダンスパフォーマンスを演ずるという独特のスタイル。
よって、演者は話すことなく、踊りに集中できるという。また、テーマは毎回歴史や小説を題材にしていて、個人的にも興味深いものがある。
今回のステージは「椿は赤い花」という。かのマクベスを翻案し、日本の戦国時代の仮想テーマとしたもの。
原作がマクベスなので、裏切りや謀略の嵐であり、なかなか重苦しくテーマは進む。だが、あくまで仮想ではありながら、日本の戦国時代のどこかで実際に行われてきたような気分になってきた。
そういう意味では、古今東西、人間の行ってきたことは同じなのかも知れない。地位や権力のある者を倒し、自らがその地位につくと今度は猜疑心の嵐・・・
猜疑心といえば日本史では源頼朝が有名だが、全国各地で古くから現代にいたるまで繰り返されてきたに違いない。
さらにストーリーは進み、裏切りが裏切りを呼び、最後は一番信頼していた人までもが、自分を裏切る・・・考えてみれば、シーザーの「ブルータスお前もか」だって同じだ。
明智光秀は誰しもが頭に浮かぶ裏切り者だろうが、源平の争い、いやもっともっとその前から日本でも、おんなじことを繰り返してきたのだ。
それを人間の本質として、21世紀にまで生き残る形で、戯曲を書き上げたシェークスピアの天才にも思いをはせたくなる・・・
逆にいえば、人間は変わらない・・・それを読み取っていたということか。レベルは違うが、小生だってどれだけこれまで裏切られてきたことか・・・
あっ、話を戻そう。マクベスをベースとしながらも、ラストへ向かってはオリジナルの展開となる。
予言がどうして実現するのか・・・ワクワクしながら見ていると、おお、そういうことだったか・・・と。
そこで初めて題名の意味がわかるという・・・むむ、今回も深かったぞ。
フィナーレはいつものように出演者が勢ぞろいし、撮影OKとなってSNS等での拡散を推奨される。毎回これがまた楽しみである。今回も演者のハツラツとした笑顔がはじけていた。
今回も大満足で帰路についた。いいぞ柊プロジェクト。
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