9月24日のNHKの「おはよう日本」で石井正則氏の写真展の話題が取り上げられていた。石井正則氏なんていうと、一瞬誰? とも思うが、アリキリのあの彼だ。
最近はお笑いというより、ドラマに出ていたりして俳優だっけ? という活躍であるが、その彼が写真展のテーマにしたのがハンセン病だ。
この春に写真集を出していて、それを国立ハンセン病資料館で企画展示するという。これを聞き、ぜひ見に行きたいと思った。ちなみに、この企画展も当初は春に開催予定だったが、コロナ騒ぎで秋に延期になったという。
ハンセン病については今更だが、かつては感染症として、とてつもなく恐れられた病気だ。一家の中でだれかが発症しようものなら、村八分騒ぎ。
感染者本人は完全隔離で、専門の施設に入れられ、そこから一生出ることもできなかった。さらには、お墓さえも作ってもらえなかったという。
その後、感染力は極めて弱いことが判明し、さらに治療法も確立したにも関わらず、わが国では、平成8年になるまで法律を改正せず、隔離政策を続けた。
現在では患者さんも普通に暮らしていらっしゃるはずだが、依然として差別・偏見は根強い。そのあたりは、樹木希林最後の主演映画「あん」を取り上げたこの記事もご覧いただき参考にされたい。
小生は、以前所沢に勤務しており、テリトリー内に清瀬の全生園があったので、施設の認識はあったが、この映画を見て理解していなかったことも多かったことに気付かされた。
石井氏の取り組みは、モノクロ写真を通じて、そこに生きた人々、いや現在まさに生きている人々にスポットを当てている。
本当は、そういうことは国が本来やるべきこととも思うが、「おはよう日本」の中で石井氏は、新型コロナに対する差別・偏見にも通じていると訴えている。
新型コロナに感染したら大変なことになる。と煽ったのは政府とマスコミだと小生は以前から書いているが、ある世論調査によれば、「新型コロナに感染するのは自己責任だ」という問いに対し、日本人の80%がそうだと回答し、欧米では80%が違うと・・・
そもそも新型コロナは感染力が強いので、普通にしていても誰でも感染しうるのに対し、日本人のほとんどが、「感染するようなことをしているからだ」と考えていることになる。
だから、欧米では感染から回復し帰宅した人を拍手で迎えるのに対し、日本では正反対の対応になる。
ハンセン病についてもまったく同じことが行われているのが実状だ。この国の国民がそうしたいわれもない差別・偏見から解き放たれるのはいつのことだろう。
ケータイだけでなく、思想・行動までもがガラパゴスなのは、物理的に島国であるだけではないように思う。
まずは、この展覧会から一歩踏み出してみませんか・・・
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます