玉泉寺と聞いて、「ああ、あの」と即答えられる人がいたら、よほどの歴史通か地元の人だろう。ただ、その歴史をたどれば、小さなお寺といっても侮れない・・・
という玉泉寺は下田市にある。下田の市街地から御用邸のある須崎の方に向かって海沿いを進んだ柿崎地区にある。
先日、桜田温泉「山芳園」に行く途中に、ちょっと時間があったので、久しぶりに立ち寄ってみた。おそらく40年ぶりくらいか?
この玉泉寺は、田舎のごく普通のお寺である。が、何をかくそう日本最初の領事館だったところだ。もう少し加えると、ペリーの来航で開国した日本が、アメリカのハリスを受け入れたところということになる。
ハリスが病気になり、牛乳を飲ませたことにちなむ碑や、アメリカの水兵さんの墓などがある。
そしてせっかく来たので、ここから指呼の間にある弁天島に足を伸ばした。海岸に陸続きになっている小さな島で・・・と思っていたら、港の改修工事のため、ガキの頃の面影はまったくなくなっていた。
ガキの頃、ここの浜で貝殻をたくさん拾った記憶があったのだが・・・
幕末には、この弁天島から吉田松陰がアメリカに密航を企て、沖合の米艦に向けて漕ぎ出したと言われていて、これまた近くの柿崎神社には吉田松陰の像が立っている。
弁天島と柿崎神社は独特の地層が残っているが、海底隆起の跡だという。神社の方はヤシなどが茂っていて、とても日本とは思えない(苦笑)
玉泉寺とともに地味な観光地であるが、幕末から明治にかけての歴史の一幕をしのぶ、いいスポットだと思う。
ハリスといえば「唐人お吉」も有名だが、改めて今回検索してみたところ、かなり想像していたイメージとは異なっていた。
小生の頭の中では、通っていた高校の近くにあるお吉が淵に入水自殺したと思っていたが、どうもそうではなさそうだし、ハリスのところに派遣されて数日後に解雇されていたのも、今回初めて知った。
下田の市街地にはお吉の墓や、ゆかりの品を展示した記念館のある宝福寺などもあるが、このあたりもずっと行ったことがない。
さらには日米和親条約が締結された了仙寺もあるが、こちらはエロ寺として秘仏などの展示で名高い・・・
そういう点では玉泉寺は極めて地味だが、歴史を感じさせてくれるスポットだったかと・・・
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます