関東人にとって、北海道は半ば異国と言えるほど遠い場所です。単純な距離だけではありません。北海道新幹線が開通した今でも空路がメインで、しかもその料金が高いこと。そして気候風土の違い。行くとなればそれなりに準備が必要ですし、自転車を持っていくとなれば尚更です。何かきっかけでもあればともかく、願望だけで遠征できるほど生ぬるくはない、と言ってよいでしょう。
ところがぎっちょん(昭和感)、BEX ISOYAの店員さんをやめて今は帯広で観光関係の仕事をしているISGさんから招待があり、ならば行ってみるかと話がまとまりました。参加したのはSKMさん、MADさん、SKA君と俺の4人です。
北海道と言えば9月6日に胆振地方で大地震があり、それに伴って大規模な停電が発生して大きな被害がありました。今回の遠征もいけるのか心配しましたが、帯広は震源から100km以上離れているので地震の直接の被害はなく、停電や物流の混乱も解消しているとのことだったので決行ということになりました。
北海道に行くに当たっての最初の難関、飛行機輪行をどうするか。最近は飛行機輪行をする人が増えたこともあり、少なくともJALやANAであれば特に問題なく持ち込めますが、鉄道と異なり荷物を預ける必要があるわけで、ちょっと不安があったのでこれを買うことから始まりました。
こいつのインプレは別の機会に書きたいと思います。
ちなみに羽田空港で栗村修さんを見かけたのですが、全く普通の輪行袋に自転車を入れてきていました。頻繁に移動するから飛行機に乗るからっていちいち手間隙掛けていられないのでしょうけれど、「へえ、あれでいいんだ」と思ったのも確かです。
そして帯広に到着すると・・・
雨・・・圧倒的雨・・・そして気温11度っ・・・!!
既に初日は台無しの予感ですが、とりあえずレンタカーを借り、ISGさんの職場である帯広の観光ガイドセンターへ。今回の招待と言うのが、観光ガイドセンターの推奨自転車コースをモニターとして走る、というもの。我々だけでなく、近所の自転車乗りも参加して総勢12人くらいになるそうです。
しかしそのモニターライドは明日。今日のところは近くの景色のいいところを軽く走る予定でした。しかしこの天気ではねぇ。
ISGさんと再会し、自転車を組み立てるなどしてしばらく様子を見ますが、雨が上がる気配がありません。せっかく北海道まで来たのだからと無理に走ってみたのですが・・・
雨に加えてこの寒さ、すっかり消耗してしまい予定の半分ほどで引き返してくる羽目になりました。晴れていれば景色のいいコースらしいのですが、こんな天気では何も見えません。やはり無理をするものではありませんね。
自転車のほうも泥をかぶって酷い状態になってしまい、北海道遠征初日は散々な結果になってしまいました。
でも明日は晴れるみたいだしね(伏線)
そうそう。今日のところは温泉に入って明日に備えましょう(フラグ)
そして明けて二日目。目覚めると、耳を澄ますまでもなく雨音が聞こえて来ました。
ひょっとしてまた雨ですか?
最新の予報だと、もう少ししたら止みそうだけどねぇ
このとき我々の頭にあったのは昨日の過酷な雨中ライド。もう雨の中を走るのは勘弁して欲しいという思いがありました。
今日は我々だけで走るわけではなく、地元北海道の皆さんとの合同ライド。本来なら楽しいサイクリングですが、雨となるとテンションが上がってきません・・・
とはいえ、小雨なので土砂降りだった昨日よりはだいぶマシというもの。しばらく走って帯広の街を抜けると、そこはもう一面に広がるジャガイモ畑。
晴れてればさぞ景色が良かったんだろうけど(パシャパシャ)
とはいえ、ようやく目にした北海道らしい光景です。休憩がてらしばらく眺めていましたが、北海道組は「なんでこんなところで?」みたいな顔をしていました。
そりゃ、北海道民にとっては見慣れた畑ですもの
途中にある展望台でもやはり雲が邪魔で光景がイマイチ。こんな状況でもSKA君はノリノリで写真に入ってきます。若いって素晴らしい。
はい、じゃあ一枚脱いでみようか(お約束)
今日のメインイベントはナイタイ高原牧場。夏にはレースも行われる本格的なヒルクライムコースを登っていくことになります。
このころになるとようやく雨もやみ、登りはじめる前にレインジャケットを脱ぐなどしていたら完全に出遅れました。遅れて北海道組を追いかけましたが、皆さん速くてなかなか追いつけません。たまに下りや平坦が混ざるので平均勾配はそれほどきつくないのでしょうが、10%近い急坂が多く気が抜けません。
天気が回復しつつあるものの雲はまだ厚く、おかげで周りの風景もイマイチに感じられます。晴れてくれれば、さぞかし広々とした光景を楽しめるのでしょうが。
頂上でしばらく休憩していると雲に切れ間が出来始め、眼下に帯広の町が望めました。広々とした地形なので実感しませんでしたが、ここは標高800mほどもある高原地帯。なんだかんだでかなり登ってきたことになります。今年のレースのときはここから見事な雲海が望めたそうで、しかも足元まで雲が来ているという不思議な感覚だったとか。
帰り道に道の駅によりましたが、皮肉なことに天気が見る見る回復して日光がまぶしいほど。全く、もう半日早ければ帯広の印象は全く異なったのでしょうけれど。
とはいえ、後半だけでも晴れてよかった。終わりよければ全てよしと言いますが、こういう写真で締めれば前半の苦労は帳消しというものです。
そして3日目、最終日。
今日の予定は全くの白紙でした。最初に出た案は糠平湖から三国峠のルートを走るというもの。紅葉も始まっているらしいのでよさげではありましたが、自転車以外の観光もしたいし遠出をすると時間が厳しいため、結局手近な所を軽く走ることにしました。
十勝川沿いを走った後、最後に十勝が丘展望台へのヒルクライム。ここはスピードスケートの高木姉妹がよく練習に来ているそうです。
ただでさえ速いのに、BORAとか履いてるから手がつけられないらしいですよ
五輪メダリストの練習コースはどんなもんかいな?とりあえず走り始めるとSKA君がピッタリ後ろにつけてきました。
これはちょっとまずいです。展望台まではISGさんによれば1km程度とのこと。長いヒルクライムならばスプリンターのSKA君に遅れは取りませんが、そんな短いコースだとパワーで押し切られるリスクがあります。ここは勝つために策を弄する必要があるでしょう。
あっ!あそこに高木姉妹が!
高木姉妹といえば全国に名を知られた美人姉妹です。そしてここは彼女らの練習コースという話を聞いたばかり。まさか、と思いつつも若いSKA君は集中を切らすでしょう。その隙に突き放して心を折る、カンペキな作戦です。
しかし・・・
・・・(黙々とついてくる)
(なぜだ、なぜ動揺しない!?)
どういうわけか作戦は不発に終わり、程なく展望台が見えてきました。こうなると俺に勝ち目は無く、ゴール前で突き放されて完敗を喫しました。
展望台からはあたり一面が見渡せましたが、やはりちょっと天気がね・・・
この後は自転車を片付けて、車で普通の観光をしてきました。
まず、近くで気球の体験があったのでちょっと乗ってみました。
風で流されないようにロープで固定するため、高さはそれほどでもありません。眺めのよさではさっきの展望台の方が上です。ですが、気球に乗る機会なんて滅多にあるものではないですからね。
ちなみに近くのホテルではロープで固定しないフリーライドというのをやっているそうです。これは高いところまで浮かべますが、行き先が風任せになるので着陸後の回収が大変で、なんだかんだと費用が嵩むようです。
そのあとは花畑牧場に行き・・・
愛国・幸福駅に寄って帰路に着きました。
ちなみに花畑牧場は売店とレストランがあるだけで、豚や牛がいるわけじゃないし田中義剛もいません。お土産だけだったら空港で買えば良いような・・・?
そういえばタイトルに反して、豚丼を食わなかったような
他のみんなが美味そうに食っていたので、なんだかタイトルに入れたくなってしまったらしい。
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