多摩川サイクリングロードの車窓から

秩父の奥地へ 中津峡と滝川渓谷

 紅葉シーズンもそろそろ終盤。そこで今日は秩父に行って来ました。


 秩父へ電車で行くなら、普通は西武の特急を使います。こんな感じのルートですね。

 しかしこれは自転車的にはイマイチなルートであるといわざるを得ません。
 一つは山手線。言うまでもないことですが乗客の乗り降りが激しい路線なので、自転車のような大荷物を持ち込むと迷惑度は通常の三倍くらいになってしまいます。
 もう一つの問題は乗り換え。池袋駅はJRから西武まで結構距離があるし、西武秩父から秩父鉄道の御花畑駅への乗り換えは池袋以上に遠く、自転車を抱えているとけっこう難儀です。
 三峰口まで行かず西武秩父から自転車で走る手もありますが、西武秩父~三峰口間はそんなに面白いルートではなさそうです。省略できるならそれに越したことはありません。

 そこで俺が今日使ったルートはこちら。

 このルートなら乗り換えは一回だけ、それも熊谷なのでそこまで人の多い駅ではありません。
 西武特急ルートより時間がかかる上に電車代も高いので普通だったらこのルートを取るメリットはありません。ですが自転車乗りにとって乗り換えの回数と歩行距離は大問題なのです。




 三峰口駅から出発して20分程、早くも完全に山道となり鮮やかな黄葉が出迎えてくれました。やはり三峰口まで輪行して正解でした、西武秩父からだと市街地を走らなきゃいけませんからね。


 滝沢ダムの手前までくると、大きなループ橋が見えてきました。これは凄いけど、渡るのはちょっと怖いな・・・そう思っていたのですが、実際に渡ってみると意外にも恐怖は感じませんでした。
 このループ橋は雷電廿六木橋(らいでんとどろきばし)という名前で、橋を作る際に移転した集落に由来するのだとか。

 滝沢ダムを超えてさらに西に進むと中津峡に差し掛かります。

 紅葉で有名な渓谷で、本日のメインイベントと言っても良いでしょう。有名ゆえに人が多いだろうから混雑するであろう午後を避けました。



 渓谷に入りしばらく走ると、赤や黄色に染まった錦秋の山々。




 こういう渓谷は車だと停車できるところが限られます。自転車はそんな制約がありませんから、いくらでも紅葉を愛で、写真を撮っていられるのがいいですね。




 最もあざやかだったのがこちら。さすがに人が多く、紅葉独り占めとはいきませんでした。




 中津峡の奥のほうに後藤商店という紅葉シーズンだけ営業している屋台があります。今日のコース上にはコンビニが一軒もないので、こういう店の存在は補給地点としてもありがたいです。


 しし汁にはイノシシの肉が入っていますが、特に臭みは感じず美味しく頂けました。カロリーを補給したい場合は、これにうどんを入れることも出来るしジャガイモの田楽なんかもあります。



 次に向かうのは国道140号沿いに広がる滝川渓谷。先にある雁坂トンネルは自転車通行止めですが、その手前の豆焼橋までは行くことができます。




 しかし紅葉の面ではやや期待はずれ。既に散ってしまった木が多く、ちょっと遅かったようです。




 緩斜面が多かった中津峡と異なり、こちらは10%級の斜度が頻繁に登場する手ごわい坂です。悶絶しながら何とか脚を回しているうちに最終目的地の豆焼橋が見えてきました。この辺りの樹木は軒並み散ってしまっていたのですが、たまたま橋が見えるポイントに紅葉が残っていました。




 山が枯れていたとはいえ、豆焼橋からの眺めはまさに絶景でした。
 雁坂トンネルと豆焼橋が開通したのは1998年、わずか20年前のこと。それ以前は登山道を通るしか雁坂峠を越える手段はなかったそうです。こんな深山幽谷の地に橋をかけてしまう近代土木技術ってのは凄いものです。



 豆焼橋でUターンし、次に向かうのは三峰神社。紅葉は先週がピークだったという話を聞いてはいますが、時間に余裕があるのでダメ元で行ってみることにしました。


 途中、栃本集落という村を通過します。こんなポストが未だにあるんですね。


 集落全体に、斜面に無理矢理作った感が溢れています。何百年前か知りませんが、この集落を切り開いた人達はどんな苦労をし、そしてどんな事情があってここに流れ着いたのでしょうか。



 二瀬ダムの堰堤を越えて、三峰神社へのヒルクライム。あちこちに紅葉は見られましたが、雲が増えてきたせいか暗い写真ばかりになって来ました。腕が悪いといわれりゃそれまでですが・・・


 この道は三峰神社に向かう車が多くバスも頻繁に通ります。道幅も狭いのでかなり気疲れする道でした。


 三峰神社の駐車場は満杯で大渋滞になっていましたが、自転車にはそんなことは関係なくすんなり参道に向かうことが出来ました。
 しかし紅葉があったのはここまで。




 境内はすっかり散ってしまっていました。まあダメ元だったわけだし、本命はこの先の大血川林道なのでよしとしましょう。


 最後のヒルクライムに備え、売店で中津川いも田楽を買ってきました。ジャガイモの一種ですが小さくて粘り気が強いので串に刺しても大丈夫なんだとか。味のほうは、まあ普通かなぁ。



 三峰神社からさらに奥に向かうと大血川林道に入ります。といっても三峰神社の時点でかなり標高が高く、林道のピークまでは3km程度でした。そこからは長い下りが始まります。


 林道ゆえに整備はあまりされておらず、季節柄落葉だらけ。路面が湿っていたため非常に滑りやすそうで、かなり怖いダウンヒルでした。この林道は斜度がかなりありますし、落石もあちこちで見られましたのでダウンヒルには適さない道かもしれません。


 上のほうは枯れ木だらけでしたが、標高が下がってくると紅葉が見られるようになりました。




 午後から曇ってしまったり、紅葉が終わりかけのスポットが多かったり。計算違いはありましたが、それでも満足のいくライドでした。
 路面が湿ってたので自転車の掃除がメンドクサイのがアレなんですけども。


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