前から目をつけてはいたものの、タイミングを逸して見にいけなかった天空のポピーがちょうど満開を迎えているらしいので、秩父遠征をかねて行ってみることにしました。

多摩川河口から秩父は遠いです。距離もさることながら、鉄道の乗継が不便であることが拍車を掛けます。
今日選んだルートは、高麗川駅から東秩父の山を半時計周りに周回するコースですが、川崎から高麗川までは電車で2時間以上の長旅になります。
高麗川駅で、多摩川民から荒川民にクラスチェンジ(引越し)したはたけさんと合流。とはいえ、はたけさんも今日のルートはよく知らず、もちろん俺は初めてなので手探りのライドがスタート。



最初のうちは平坦と緩斜面ばかりで平穏でしたが、天空のポピーに向かう県道361号に入った瞬間この激坂。目的地は標高500mの高所にあるので登りがあるのは必然ですが、のっけから10%級を登るのはいささか胃にもたれます。
はたけさんは俺より1枚も2枚も上の登坂力があり、あっという間に置いていかれてしまいました。彼のペースについていけば、ポピーを見る前に脚が完全に終了し、Uターンして帰る羽目になるのは自明というもの。ここはマイペースを貫いてゆるゆる登っていくことにします。

登坂半ばから完全に渋滞しており、道が狭いため合間を縫うようにして走ることを余儀なくされます。ただでさえスロー登坂だったのに、ますますノロノロ走行になってしまいました。
ここから天空のポピーまで3km以上あり、しかもこれは渋滞というより駐車場待ちの行列ですのでなかなか流れていきません。後で公式ページを見たら、3時間以上待ちだったようです。

そしてようやく辿り着いたのは・・・

ドーン!これが1500万本のポピー!視界いっぱいに広がる赤い絨毯は圧巻です。

シャレーポピー、別名ヒナゲシ、またの名を虞美人草といいます。赤い花が多くを占めていますが、

場所を変えればピンクや白がちらほらと。

高原にあり、視界を遮るものがないからこその見事な絨毯。青空が広がっていればもっと見事だったのでしょう。薄雲が広がる空が恨めしい。



さて、ここから戻るわけですが、同じルートをたどって戻るのでは芸がありません。そこでまず定峰峠へ。埼玉では白石峠に次いで有名なTT区間です。



TT区間などというのは誰が定めるわけでもなく、お約束以上のものではありませんが、せっかく走るなら区間のタイムを計ってみたいもの。ヤビツ峠を走るときに名古木交差点から計測するのが作法になってるのと同じことです。


いったん息を整えてから登坂を開始しますが、案の定あっという間に置き去りにされ単独TTになりました。傾斜はそれほどきつくなく、最大でも8%程度。距離を別にすれば、ヤビツ峠に近いプロフィールではないでしょうか。



峠のゴール地点にあったのは有名な峠の茶屋。ちょうどお昼時だったので、ここで昼飯を食うことにしました。

肉うどんを頼んだのですが、どうやら手打ちのようでなかなか美味しい。正直、味はさほど期待していなかったので意外でした。






定峰峠の後に我々が走った道は奥武蔵グリーンラインといいまして、この近辺の山塊に点在する峠を尾根伝いに結ぶ林道群です。山中の林道ですから当然アップダウンだらけですが、下界からいちいち登るよりラクに峠をクリアしていけるお得なルートと言えるでしょう。

水色の点線が奥武蔵グリーンライン。山の上を伝うように伸びているのがわかります。

道路の雰囲気は終始こんな感じ。車の離合が困難な道路幅ですが、見かけるのは自転車とオートバイばかりなので特に不足は感じません。しかし路面はお世辞にも良くはないです。
このルートで定峰峠から鎌北湖まで約30km。その間、平坦はほとんどありません。
アップダウンだらけなのは山道なので当然のこと。ならば下りで勢いをつけて登りを少しでもラクにしようと試みましたが、下り切ったところが急カーブだったり、あるいは排水溝があって蓋がガタガタだったり、その都度減速を余儀なくされて思うように省エネが出来ません。
交通量の少ない山中をじっくり走れるコースですが、景色の良い場所はほとんどないので観光系ライドには不向きでしょう。走ること自体を楽しむ中級者以上向けではないでしょうか。
・・・と思っていたら、視界が開けて展望台っぽいものがある店を発見しました。お店はつぶれているようですが。





