過去に俺が出場してきたレースはハルヒル・富士ヒル・箱根・東京ヒルクライムなど首都圏から近いレースばかりでした。
しかしコロナのおかげでそもそも選択肢が少なくなっていますし、それに7月8月のレースはクソ暑くて体に堪えるので6月中に上半期のレースを終えてしまおう、という思惑で少しばかり遠いこのレースを選びました。
などと言っていたら、今年は6月に猛暑が来てしまって思惑は見事に外れたわけですが。
ヒルクライムというのは当然山でやるものなので、交通アクセスには難がある場合が多々あります。典型的なのが乗鞍で、公共交通機関でのアプローチがほぼ不可能と言ってよく、格式が高いにも関わらず一般人への浸透度で富士ヒルに大きく負けているのはこれが原因なんだろうなと思います。
しかしこのツールド美ヶ原のスタート地点は松本駅から5km程度。大きな駅からの近さという点では富士ヒルやハルヒルをも上回っており、輪行で参加しやすい大会と言えます。
そんなわけでサクッと前日受付を済ませ、ホテルでパンフなど読んでいるとこの文言に気づきました。
「レース当日は荷物の預かりをいたしません」
下山の時に使う防寒着などは前日受付の時に預けてあるのですが、宿泊に必要な着替えだとかその他諸々の荷物があります。車で来ているなら車内においておけばいいのですが、俺のような輪行組にとっては大問題。
ひょっとしたら「下山用荷物は当日受付しないよ」という意味かもしれませんけど、そうではなく荷物預かりが一切ない場合、荷物を背負ったままレースに出る羽目になります。
まあ仕方ない。幸い松本駅に近いホテルに泊まっていますので、駅のコインロッカーに荷物を預けてから会場に行けばいいでしょう。
当日はまずまずの天気。ハルヒル・富士ヒルと天気に恵まれませんでしたが、ここにきてようやく青空の下でレースができます。
会場ではMCの人がいろいろ喋っていたのですが、出場者最年長者が89歳という聞き捨てならない話題が出てきました。そんな年齢でヒルクライム?自転車どころか歩行も怪しくなってくる人が多い年齢でしょうに。しかも序盤の18%の激坂を登れるんか?いやまあ、登録してくるからには走れるのでしょうけども。
その人が完走できたかはわかりませんが、すごいジジイがいるものです。
さて。スタートしてすぐに激坂ゾーンに突入、あっという間に集団がばらけてぼっちになってしまいました。
この区間は斜度がきついので単独でも問題はありませんが、終盤の緩斜面ゾーンでは誰かを風除けにしたいところです。そうなかなか都合よくは行かないのですが。
このレースのスタートは年代別でグループ分けされており、20分ごとにスタートしていきます。このレースの優勝者のタイムは1時間ちょっと、それくらいのレースで20分差というのはかなり大きなものです。
有体に言ってしまうと、20分差を詰めて追いついてくるような人は圧倒的に力が上なので、緩斜面ゾーンで追いつかれても食らいついて風除けにすることは難しいのです。あちらから見ても、20分も遅い相手と組んでも役に立たないので、待ってあげる理由がありません。
そうこうしていると、スタートして50分くらいで後ろからものすごい勢いで抜かれていきました。
20分遅れでスタートだからたった30分でここまで?速すぎない?と驚いたのですが、よく見たらE-Bikeでした。
しかしE-Bikeといってもこれだけ速いというのは相当な手練れなのでしょう。
そうこうしているうちに終盤の緩斜面ゾーンに突入、この区間は平坦ではなく、登りと下りが交互にやってきます。
案の定と言うべきかこの時点で脚が合う人は周囲におらず、一人でブン回すしかありません。
1つ目の登りを終えたあたりで、後ろから速い人が迫ってくる気配がありました。登りで追いつかれてはノーチャンスだが下りならどさくさに紛れて後ろに食いつけるかもしれない。そう見て追いつかれるタイミングの調整を試みましたが、そんなセコい思惑などお見通しだったのでしょうか、きっちり登りで追いつかれて並ぶ間もなく抜かれてしまいました。
結局このレースでドラフティングの恩恵を受けることは無いままゴール、タイムは1時間34分49秒・・・
んー。早いのか遅いのかよくわかりません。年代別で149人中66位なので、まあこんなもの、でしょうか?
ゴール地点はかなり雲が出ておりいつ雨になってもおかしくない雰囲気でしたが、幸い下山まで降ることはありませんでした。
しかし風の強さも相まってかなり寒く、下界が猛暑にあえいているのがウソのよう。文字通りの別世界です。
・・・別世界すぎてブヨに脚を咬まれてしまい、翌日脚が腫れあがって大変なことになったんですけども。
結果の良し悪しはともかくとして、今年前半のレースはこれでおしまい。
秋はどうしましょうかね、出てみたいレースとしては赤城山・箱根・HINOHARAステージ・熱海国際あたりなのですが。
・・・激坂系はちょっと食傷気味なので、HINOHARAステージが本命でしょうかね。開催されるなら、ですが。
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