玄海の語り部

「健康」を当たり前と思っている人。
それを失ったときに判る「健康」のありがたさ!
川俣保美がそれを熱く語ります。

「粒子線治療」とは

2011年10月06日 15時10分32秒 | 健康ニュース

がんの治療法は、外科療法(手術)、化学療法、放射線療法の三つが「三大治療法」と言われています。

 

 現在のがん治療では、これらの三大治療法の優れた部分をバランスよく組み合わせて治療する「集学(しゅうがく)的治療」が取られることが多くなっています。

 

従来からがん治療に利用される放射線はX線やガンマ線は、光子線と呼ばれる放射線ですが、最近使用が始まった陽子線治療とは粒子線と呼ばれる放射線の一種を利用したものです。

 

水素や酸素、炭素などの原子は原子核(陽子)の周りに電子が回っているような構造をしていますが、その原子から電子をはぎ取り、残った陽子を加速させ治療に使うものです。

 

では従来の放射線に比べて粒子線の利点ですが、X線などの放射線は、体の表面近くで一番強いエネルギーで当たり、体の奥へ向かうほど弱くなりながら、止まらずに突き抜けます。そのため、がん病巣だけでなく、体の表面の正常な組織や、がん病巣の奥にある正常な組織も傷つけてしまいます。

 

一方、陽子線は体内に入っても表面近くではエネルギーを放出せず、停止する直前にエネルギーを放出して大きな線量を組織に与える性質があります。

これを発見者の名をとってブラッグ・ピークと呼びます。がんの治療では病巣の深さや大きさに合わせてこのピークの深さや幅を拡げることができるため、副作用の少ない治療法といえます。

 

しかし粒子線治療施設は装置や稼動施設にかかる費用は、重粒子線で約120億円、陽子線が約80億円と高額で、装置が大掛かりになるため、まだ全国で建設予定の物も含めて11ヶ所ほどしかありません。

 

明日は粒子線治療の重粒子線治療、陽子線治療の違いなどを紹介します。

 

 

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ヘアカラーによるかぶれなど... | トップ | 重粒子線治療、陽子線治療の違い »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

健康ニュース」カテゴリの最新記事