◆冬の夕方、南の空高く見える星座で、ヒアデスとプレアデス(すばる)という肉眼で見える星団が2つもある豪華な星座です。牡牛の顔を形作っているのがヒヤデスで、その右目に輝くオレンジ色の一等星アルデバランは、太陽の30倍もある大きな星です。プレアデスは誕生したばかりの若い星の集まりで、牡牛の肩のあたりに双眼鏡を向けると、視野いっぱいに数十個の星々が広がります。右の角の先には、大爆発を起こした超新星のなごりの「カニ星雲M1」があります。
◆天上から地中海の国々をながめていた神々の王ゼウスは、フェニキアの王女エウローペにひと目ぼれします。彼はこの美しい王女を誘惑するために、真っ白の牡牛に変身して地上に降り立ちます。その牡牛は王女が背中に乗ると突然海に向かって走りだし、そのまま地中海を渡って対岸のクレタ島まで泳ぎました。その地で二人の間に生まれたミノスは、やがてクレタ島の王になったそうです。現在の「ヨーロッパ」は彼女にちなんで名づけられたといわれています。