KAWORUの山日記~今日も雲の上!

百名山や日本アルプスの旅の記録

星座になったヘラクレス

1997-09-01 00:00:00 | 星空の案内

◆ギリシア神話では、神々の王ゼウスの子ヘラクレスはギリシアで一番の勇者とされています。彼は赤ん坊のときから毒蛇を握りつぶすほどの怪力の持ち主で、成人してからは半身半馬のケイローン(射手座)に武術を習いました。ある時、彼は女神ヘラの呪いで妻と子をあやまって殺してしまい、罪ほろぼしの旅に出ます。その時にやりとげた12の冒険の1つ目が、ネメアの森に住む恐ろしい人食いライオンの退治です。彼は何日も死闘を繰り返し、やっとのことでこの巨大なライオンを倒すことができました。そのとき退治されたライオンが後に春の星座「獅子座」になりました。2つ目の冒険は9つの頭を持つ怪物ヒドラの退治です。ヘラクレスを憎んでいた女神ヘラは、ヘラクレスと戦うヒドラのもとに一匹の化けガニをつかわしました。しかし相手は怪力のヘラクレスのこと、逆に踏みつぶされてしまいます。そのあと、ヘラがあわれんで星座にしたのが「蟹座」です。一方、ヒドラの方も天に上げられ、蟹座のすぐ下で「うみへび座」になりました。

◆ヘラクレスも星座(ヘルクレス座)になっています。夏の夕方、織姫星のすぐ西隣にあらわれますが、見つけにくい星座です。M13は2万光年彼方にある50万個の星の大集団で、最も美しい球状星団です。ヘラクレスの頭に輝く3等星ラス・アルゲティは700光年彼方にある赤色超巨星で、太陽の800倍もの大きさがあります。この星は明るさの変わる変光星で、中国では「天帝の座の星」とされていました。夜空の星(恒星)は動かないように見えますが、実際は大変な高速で動いています。私たちの太陽系は秒速20㎞もの速さでこのヘルクレス座の方向に向かって進んでいます。


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