KAWORUの山日記~今日も雲の上!

百名山や日本アルプスの旅の記録

木曽御嶽山 2011.8.9-10 [摩利支天山2,959m・剣ヶ峰3,067m]

2011-09-24 21:23:44 | 北アルプス


夏の山行ではいつも通過している木曽福島駅で降り、バスで御嶽ロープウェーに向かいます。
初日は黒沢口登山道を登り、飛騨頂上の五ノ池小屋に宿泊。翌日は摩利支天山、剣ヶ峰の2つのピークを経て王滝口登山道を下山します。広大な御嶽の山頂部を5つの山上湖をめぐりながら北から南へ2日間で縦走するのが今回のコースです。 

ロープウェーで一気に標高2,150mへ。ゴンドラを降りるといきなりクマ出没の注意書きが・・・。眼下に開田高原を見下ろしながらハイマツの道を進み、小さな雪渓を横切ります。雪の上を吹き抜ける風がひんやりと心地よい。ハシゴを登り終えたところで神秘的な湖が現れました。 御嶽山上湖のひとつ、三ノ池です。高山植物は最盛期を過ぎていますが、周辺にはまだ多くの花が咲いています。 

五ノ池小屋

 〈 飛騨頂上の五ノ池小屋 〉 

五ノ池小屋は飛騨と木曽の境界にある下呂市営の施設。御嶽の山小屋は大広間にザコ寝というのが一般的ですが、ここは北アルプス形式で、しかもヒノキをぜいたくに使っているので気持ちよく過ごせます。最高峰の剣ヶ峰から離れているので登山者も随分少ない。

夕方、飛騨の谷に巨大な積乱雲が現れ、まもなく稲光が走り始めました。日が沈むと風が出てきて一気に寒くなり、外気温は約10度。ホールでは薪ストーブに火が入り、一方、下界ではこの夏の最高気温を記録していました。 

朝5時、ご来光を待つため小屋の外へ。雲海の彼方には島のように浮かぶ中央アルプスと南アルプスが重なり合い、その後ろに富士山が頭をのぞかせています。さらにその先には八ヶ岳も。やがて今日最初の光が山肌を照らす。山々が最も美しいひとときです。



五ノ池小屋から日の出 〈 雲海に浮かぶ中央アルプス 〉

山の朝は早い。出発の7時に小屋に残るのは濁河温泉に下る2人と私たちだけ。小屋から摩利支天山へと続く道は美しいハイマツの中を進みます。山頂に着くと北の空が晴れ渡り、乗鞍岳、遠く槍ヶ岳や穂高連峰が姿を現しました。昨年登った北穂高も確認できます。

飛騨の谷から吹き上げる上昇気流が、稜線を超える手前で次々と雲を作りだしています。中学の理科で習った水蒸気の凝結現象です。上空に上った雲はベールのように舞い、滝のように流れ、やがて消えていく。



槍・穂高を望む 〈 乗鞍と槍・穂高の遠望 〉

摩利支天山から南は荒涼とした風景に変わります。サイノ河原は石積みがあたり一面を埋め尽くし、霊山の雰囲気が漂う。 日本最高所の湖、二ノ池の畔には二ノ池本館と二ノ池新館の2軒の山小屋が建つ。売店では三ノ池の水が御神水としてなんと800円也!

二ノ池本館 

〈 二ノ池本館 〉
 

石造りの階段を登った先にある剣ヶ峰山頂3,067mには御嶽神社が建つ。ここからの眺めは火口を思わせる山上湖や噴火による荒々しい山容など、北アルプスとはまったく異なります。山頂の斜面に張りつく2軒の山小屋と社務所の間を通り抜け王滝山頂へ。

剣ヶ峰 〈 摩利支天山から剣ヶ峰を望む 〉

地獄谷から噴気を上げていて、硫黄のにおいがあたりに漂う。御嶽が今も生きている山だという証拠。昼ごろから雲ひとつない快晴に。空の青さがひときわ際立ってきました。山を下るのがもったいないほどの好天です。

 〈 王滝口登山道を下る 〉

登山口の田の原でバスを待つこと2時間。山では街中のようにはいかない。木曽福島で温泉につかると肌がヒリヒリしてきました。この後、紫外線対策をしていなかったことを後悔することに。



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