黒部源流域の雲ノ平はどこから歩いても2日はかかる北アルプス最奥の地。訪れる人も少ない静かな山域を山中3泊のテント泊としました。
名古屋から夜行バスで新穂高温泉へ。1日目は鏡平を経て双六小屋まで。2日目から「裏銀座コース」を進みます。三俣蓮華岳を越え、黒部源流から雲ノ平へ。3日目は祖父岳、野口五郎岳を経て烏帽子小屋まで。最終日はブナ立尾根を高瀬ダムに下り、七倉温泉からタクシーで信濃大町まで。延々40㎞を超えるロングトレイルです。
初日は天候不順で、時おり雨の中を歩きます。間近に見えるはずの槍・穂高連峰はガスの中。双六小屋までの登りはザックに詰めた4日分の食料、テント、寝袋など20㎏の重みが肩に食い込む。小屋で山岳写真家の近藤辰郎氏に遭遇。夕方、雷雨警報が発令され、一晩中台風並みの風雨がテントを叩く。深夜、強風でお隣のテントが吹き飛ぶ。
〈 雲ノ平から水晶岳 〉
2日目、三俣山荘の展望喫茶で休憩後、黒部源流をひとまたぎして登り返すと雲ノ平の溶岩台地。テント設営後、午後のひとときを高山植物の咲くスイス庭園やギリシャ庭園で過ごす。雲ノ平は広大な湿原で、正面に水晶岳が雄大な姿を見せている。夕暮れの黒部五郎岳がひときわ美しい。
〈 祖父岳と黒部五郎岳 〉
3日目、祖父岳で天候が回復し、槍ヶ岳が姿を見せました。ぐるりを見渡すと遠く立山から水晶岳、黒部五郎岳、三俣蓮華岳、鷲羽岳、薬師岳、…。黒部源流を取り囲む百名山のパノラマ。水晶小屋付近は鼻をつく硫黄ガスのため草木が一本もなく、硫黄で崩壊した稜線が続く。野口五郎岳から先は槍ヶ岳を眺めながらおだやかなお花畑の稜線散歩。
〈 槍・穂高連峰 〉
下界を離れて北アルプスの真ん中で4日間過ごしました。初日は強風でお隣のテントが倒壊し、最終日はホワイトガソリンで私達のテントが炎上するところでした。テント生活ですから自給自足。衣食住は自分たちで運び、自分たちで作る。日の出前に起き、朝日に輝く稜線を歩き、日没とともに眠る「食う・寝る・歩く」の非日常な生活に体が慣れてきたら、実に体調がいい。
〈 黒部源流 〉
前半は天候に恵まれませんでしたが、長距離の山行を終えた達成感、充実感にひたることができました。いつか機会があれば少し足を延ばして「日本一遠い温泉」と言われる高天原の露天風呂に浸かり、のんびり山を眺めながらすごしたい場所です。
【1987.8.8-11】
最新の画像[もっと見る]
- 牧ノ戸峠から久住山~九州の百名山と秘湯の山小屋 2023.10.31-11.2 [久住山1,786m] 1年前
- 牧ノ戸峠から久住山~九州の百名山と秘湯の山小屋 2023.10.31-11.2 [久住山1,786m] 1年前
- 牧ノ戸峠から久住山~九州の百名山と秘湯の山小屋 2023.10.31-11.2 [久住山1,786m] 1年前
- 牧ノ戸峠から久住山~九州の百名山と秘湯の山小屋 2023.10.31-11.2 [久住山1,786m] 1年前
- 牧ノ戸峠から久住山~九州の百名山と秘湯の山小屋 2023.10.31-11.2 [久住山1,786m] 1年前
- 牧ノ戸峠から久住山~九州の百名山と秘湯の山小屋 2023.10.31-11.2 [久住山1,786m] 1年前
- 牧ノ戸峠から久住山~九州の百名山と秘湯の山小屋 2023.10.31-11.2 [久住山1,786m] 1年前
- 牧ノ戸峠から久住山~九州の百名山と秘湯の山小屋 2023.10.31-11.2 [久住山1,786m] 1年前
- 牧ノ戸峠から久住山~九州の百名山と秘湯の山小屋 2023.10.31-11.2 [久住山1,786m] 1年前
- 牧ノ戸峠から久住山~九州の百名山と秘湯の山小屋 2023.10.31-11.2 [久住山1,786m] 1年前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます