荻窪鮫

元ハングマン。下町で隠遁暮らしのオジサンが躁鬱病になりました。
それでも、望みはミニマリストになる事です。

ラスト・ターゲットの巻。

2015年01月18日 | 偽りの人生に優れたエンターテイメントを


ジョージ・クルーニーさん主演【ラスト・ターゲット】を観ました。

それにしても凡庸というか、ダサい邦題です。

原題は【The American】。米国公開は2010年。

原題通りの米国人であるクルーニーさんが、スウェーデンやらイタリアやらの異国の地で、殺し屋稼業を営むという物語で、原作者は英国人のマーティン・ブースとかいうヒト。

正直、クルーニーさんが血迷ってオファーを受けちゃった【米国版Vシネ】かと思いました。

タイトルだけを見る限りは。

ところが、これは名作です

実に静謐なハードボイルド映画でした。劇中音楽があんまりないのです。セリフも少ないし。

カラー作品ですが、どこかフィルム・ノワールを彷彿させるのは、やはりヨーロッパが舞台だからでしょうか。

と思ったのですがフィルム・ノワールって米国映画の事を指すんですね。



冒頭、スウェーデンで身の危険を察知したクルーニーさん、追跡者を迎撃したどころか、さっきまでヤってたオンナも内通者と思い、撃ち殺してフけます。

元締だか情報屋だかのオッサンの指示を受け、一気に南、すなわちイタリアへ。

『しばらくカステル・デル・モンテで静かに暮らせ』と言われたわけです。

このクルーニーさんが暮らすアパートメントが、実にシンプルなんですねぇ。

やっぱ、殺し屋の住む部屋はシンプルじゃなくっちゃ

【レオン】も【イコライザー】も【仁義】も同様でした。

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イコライザーの巻。

そんな部屋・街でクルーニーさんは静かに暮らし出します。

たまに筋トレなんかもやっちゃいます。

これも【レオン】と被りますな。

そんなクルーニーさん『オンナはカネでしか抱かねぇ』と【必殺始末人】の山村只次郎みたいに娼婦を買います。

とはいえ、あっちのコ、こっちのコ、と取っ換え引っ換えするわけではなく、指名はクララという娼婦のみ。

そこはダサハゲデブオヤジの素寒貧客と違い、ダンディでミステリアスなクルーニーさんですから、クララちゃんも惚れちゃうんですな。

このクララちゃんを演じたのが、ヴィオランテ・プラシドとかいうヒトで、イタリアの女優兼歌手だそうです。

1976年生まれですから【ちゃん】づけする様な歳じゃないんですが、やっぱイタリアオンナって良いっす。

スペインオンナもたまりませんが。

ペネロペとかね。

そのクララちゃん、脱ぎっぷりも良く、素晴らしい肢体を魅せつけてくれました。


また、クララちゃんとレストランデートする際、時間を気にしソワソワするクルーニーさんがまた可愛い。

付き合ってすぐの状態ですからねぇ。

いっちばん楽しい状態ですからねぇ。

分かるなぁ

分かりたいなぁ



さて、ラスト。

クルーニーさんは殺し屋稼業から足を洗い、クララちゃんとどこか遠くの街に逃げようとします。

ただ、最後の敵を仕留めなければなりません。

クララちゃんに大金を渡し『先に川(待ち合わせ場所)に行っていてくれ。あとで必ず行く』と言い、一旦分かれます。

まるで【アンダルシアに憧れて】の歌詞の様です。

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最後の敵は、結局、元締だか情報屋だかのオッサン。

黒幕ってヤツですね。

銃撃戦でオッサンを射殺しますが、クルーニーさんもお腹に被弾。

最後の力を振り絞ってクララちゃんのもとに向かうのですが、クララちゃんの顔が見えたトコで事切れるのでした…。

因果な殺し屋稼業のオトコに平穏な結末が待っているはずはありませんよね。

殺し屋の末路なんてぇ、そんなもんだ…。



『俺ぁ、剣之介の事忘れてた。剣之介だけじゃねぇ。野垂れ死にしてった昔の仲間も。俺の手にかかって死んでった連中の事も。俺はみんな忘れてた。この稼業にどっぷり手を染めたら、幸せなんてものは掴めっこねぇ』中村主水(ニッポンの仕置人/仕留人/仕置屋/仕業人/商売人/仕事人・1973~1996)


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