4年半前、銀座に住んでいました。
その時、カネ関係でトラブルが起こりました。
さんざん悩み「死のう」という結論を出しました。
大量のウイスキーを飲み、大量の睡眠薬を飲み、バスタブに湯をはり、椅子を持って来、右の手首をカッターで切りました。
2本切りました。
しばらく眠ったのですが死ぬ事は出来ませんでした。
バスタブの湯は真っ赤でした。
死にきれなかった僕は119に電話しました。
救急が来てくれ、聖路加に運ばれました。
とりあえずリストカットの縫合をしてもらいました。
聖路加には心療内科病棟がないので、そのまま武蔵境と調布の間にあるキチガイ病院に入院させられました。
2か月半隔離病棟にいました。
キチガイ病院は当初は慣れませんでしたが、やがて気の合う仲間も出来ました。
キチガイ病院の退院と共に、銀座から中野区に引越しました。
そこからセルフネグレクトの生活が始まりました。
シャワーを浴びるのは1か月に1回。
着替えるのも1か月に1回。
コンタクトレンズを入れるのも1か月に1回。
なぜ1か月に1回かというと、月一で病院に行くからです。
髪も中途半端に長く、カラーもしてないので結構なグレーでした。
自分でも「臭ぇな」と思うほど汚いオッサンでした。
コンビニの店員なんか、「汚ねぇオヤジだな」と思った事でしょう。
トイレ掃除もしないので、見るに堪えない惨状でした。
何の気力もなく、ただ毎日をダラダラ過ごしていました。
幸い片付けは大好きなので、部屋が散らかっているという事はありませんでした。
そして今年始めに大病をしました。
手も足も動かない。
グーチョキパーも出来ない。
顔も舌も含め全身が非道い痺れ。
最初の3日は看護師さんが飯を食わせてくれました。
食事も刻み食にしてもらいました。
離乳食みたいなもんです。
死ぬとは思いませんでしたが、
でも「この状態で、あと20年30年生きるのは嫌だな」とは思いました。
丸2週間入院しました。
ちなみに病名は低カリウム血性周期性四肢麻痺。
医者はとにかく「カリウムが足りない」と言っていました。
そして退院。
人生観が変わりました。
身なりをふたたびキレイにする様になりました。
髪も黒く染め、かなり短くしました。
トイレ掃除も一日一回する様になりました。
散歩をする様になりました。
グリグリ眼鏡もZoffでカッコ良いのを作りました。
シャワーだけでなくバスタブに浸かる様になりました。
42万円のルイ・ヴィトンの時計を買いました。
28万円のルイ・ヴィトンのボディバッグを買いました。
テレビを処分しました。
ボロボロのソファを新しいヤツに買い換えました。
ボロボロのテーブルの天板を新しいヤツに換えました。
いろいろな事に感謝する様になりました。
今、僕は幸せです。
死ぬ事も怖くありません。
痛いのは嫌ですが。
人生とは、かくも楽しいのかと。
丁寧に生きて行きたいと思います。
失われた4年半ですが、ひとつだけ良かった事があります。
それは、カネが貯まった事。
それだけはホント良かったな、と。
↑リスカの跡です。