田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

「武士の娘」 杉本鉞子(大岩美代訳) ちくま文庫

2024年07月25日 | 読書・映画日記
   武士の家柄に育った著者が、縁あってアメリカに移住し、当地の雑誌に連載した半生の記である。ただ、著者は訳者にこれは自伝ではないと言っている。  杉本鉞子は明治6年、長岡藩の主席家老であった稲垣氏の三女として生まれた。長岡藩家老といえば維新当時、藩主に重用された河井継之助が知られている。著者の父は恭順派であった。彼女の幼少期は、まだ藩政の気風が色濃く残る中、士族が没落し北国でも開化の足音が高 . . . 本文を読む
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